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『かわ』 懐かしい本 [読書]

先日、TVでかこさとし(加古里子)の未発表作品のニュースをやっていた。

かこさとしといえば、自分が子どものころによく読んだ本が何冊かある。
面白い本だなぁと思ったら、これもかこさとしという人の本か、と子ども心に思ったものだ。

その中でも、好きな1冊が、これだ。

 加古里子 『かわ』(《こどものとも傑作集》福音館書店,1966)

懐かしくなって、思わず市内の図書館に借りに行ってきてしまった。
図書館の検索システムで調べてみると、同じ書名で新旧2冊ある。

おそらく新しい方は再版されたものだろうと思うが、念のため2冊とも見てみることにする。
係の方に書庫から持ってきてもらうと、案の定、1冊は自分の家にあったのと同じハードカバー。
もう1冊は中身は全く同じのソフトカバー版。
同じ物を2冊借りてもしょうがないので、もちろん、昔懐かしハードカバー版を借りることに。

自宅へ帰ってから本を開くと、ああ、子供の頃を思い出すなぁ・・・

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異世界、異世界、異世界・・・ [読書]

異世界ブームである。

アニメでも、コミックでも、ラノベでも。
カラスの鳴かぬ日はあれど、誰かが転生しない日はないってくらい。

近所のレンタルコミック店では、ついに「異世界コーナー」ができてしまった。
それも結構なボリュームで。

うちの妻がアニメを視てたり、コミックを借りてきたり、さらにはラノベを借りてきたりと、結構好きみたいなのだ。
その横でちょっとテレビをなんとなく視たりとか、コミックをパラパラ読んでみたりとかして、ちょっと思うことがあるので記事にしてみた。

そもそも異世界とはなんぞや?という問いはこの際おいといて(^^;)
というか「こんなブログでの与太話程度ならおいといてもまあいっか」ぐらいには、「異世界」というものが説明を特に要することなく受け入れられ、広まっている、とでも言えようか。

自分の世代だと、『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』といったゲームに馴染んだ人も多いだろうけど、これらゲームをしている頃に「異世界」という言葉、概念を持っていたか、と言われれば、よくわからない。

けど、上述の著名なゲームの存在などが、この「異世界」が受け入れられる素地を作っていることはあながち間違いでもないだろう。
ただ、それにしても、今の「異世界」ブームは、冷静に考えると結構凄いというか異状?

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海音寺潮五郎『悪人列伝 上』 [読書]

最近ご無沙汰しております。

ちょっといろいろありまして、なかなかブログを触れない日々が続いています。

もっとも、ネガティブなことだけでなく、楽しもうと試みていることもあるのですが、ちょっと集中力が続かない・・・


その楽しもうとしていることのひとつは読書。

いつもコメントいただくmiddrinnさんのブログ(最近なかなか訪問できてないけど・・・)で紹介されている本の中から、自分でも読めそうな本を「いつか読みたい本」としてリスト化しているのですが、今そのうちから、3冊ほど図書館から借りている。

その中の1冊について。

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『不思議の国のアリス』 このトシになって初めて読んだ その5 [読書]

結局「アリス」関連の本をさらに3冊読んでしまった。

1 石川澄子訳 『カラー版 不思議の国のアリス』東京図書,1989
2 脇明子訳 『愛蔵版 不思議の国のアリス』岩波書店,1998
3 楠本君恵訳 『不思議の国のアリス コンプリート・イラストレーションズ 
          テニエルのカラー挿絵全集』グラフィック社,2017
4 桑原茂夫著 『不思議の国のアリス 完全読本』河出文庫,2015 

5 北村太郎訳 『鏡の国のアリス』王国社 海外ライブラリー,1997
6 脇明子訳 『愛蔵版 鏡の国のアリス』岩波書店,1998
7 安井泉訳・解説 『鏡の国のアリス』新書館,2005
8 楠本君恵 『翻訳の国の「アリス」ールイス・キャロル翻訳史・翻訳論ー』未知谷,2001

以上がこれまでに読んだ本。

今回はその後読んだ以下3冊についての感想。

9 楠本君恵『出会いの国の「アリス」ルイス・キャロル論・作品論』未知谷,2007
10 高山宏訳 マーティン・ガードナー注 『新注不思議の国のアリス』東京図書,1994
11 高山宏訳 マーティン・ガードナー注 『新注鏡の国のアリス』東京図書,1994

9は8と同じ著者。
・キャロルだけでなく、ジョン・テニエル含む挿絵画家にも焦点を当てた作家論
・当時実際に行われた「アリス」の舞台化の顛末と、その劇作家ついて
・ふたつの「アリス」についての作品論
と大きく3つの章立てから成っている。

8と同じく、実史料にあたって真摯な姿勢で述べる文章には好感をもった。
内容も興味深く、キャロルやテニエルなどのクリエイターたちの人物についても掘り下げて記述してあり、知的好奇心を満たされる面白い本だった。

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『不思議の国のアリス』 このトシになって初めて読んだ その4 [読書]

読んだ本を再掲。

1 石川澄子訳 『カラー版 不思議の国のアリス』東京図書,1989
2 脇明子訳 『愛蔵版 不思議の国のアリス』岩波書店,1998
3 楠本君恵訳 『不思議の国のアリス コンプリート・イラストレーションズ 
          テニエルのカラー挿絵全集』グラフィック社,2017
4 桑原茂夫著 『不思議の国のアリス 完全読本』河出文庫,2015 

5 北村太郎訳 『鏡の国のアリス』王国社 海外ライブラリー,1997
6 脇明子訳 『愛蔵版 鏡の国のアリス』岩波書店,1998
7 安井泉訳・解説 『鏡の国のアリス』新書館,2005
8 楠本君恵 『翻訳の国の「アリス」ールイス・キャロル翻訳史・翻訳論ー』未知谷,2001

4は解説本。
8は3の訳者の著書で、翻訳、特にキャロルの文の翻訳という作業について論じたものだ。

5までは読んだので、次は 6 脇明子訳 『愛蔵版 鏡の国のアリス』だ。
前回書いた通り、2 脇明子訳 『愛蔵版 不思議の国のアリス』と対になるもの。
2で一度読んだ訳者だったからか、あまりにも個性的な5と違い、すんなりと読むことができた。

特に目新しく感じた部分はなかったが、これもアリスの世界に慣れてきたからだろうか。
ただ、この書には訳者のあとがきや解説などといったものはないので、どうしても消化不良な感はある。

いよいよ訳本としては今回最後の 7 安井泉訳・解説 『鏡の国のアリス』へと。

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『不思議の国のアリス』 このトシになって初めて読んだ その3 [読書]

せっかく『不思議の国のアリス』を読んだので、その勢いで、続編ともいうべき『鏡の国のアリス』にも挑戦。
記事のタイトルはあえてそのままにしておいた。

今回もやはりテニエル画を採用している本をチョイス。
そして一応、前回読んだ『不思議の国のアリス』も合わせて再度紹介。

1 石川澄子訳 『カラー版 不思議の国のアリス』東京図書,1989
2 脇明子訳 『愛蔵版 不思議の国のアリス』岩波書店,1998
3 楠本君恵訳 『不思議の国のアリス コンプリート・イラストレーションズ 
          テニエルのカラー挿絵全集』グラフィック社,2017
4 桑原茂夫著 『不思議の国のアリス 完全読本』河出文庫,2015 

5 北村太郎訳 『鏡の国のアリス』王国社 海外ライブラリー,1997
6 脇明子訳 『愛蔵版 鏡の国のアリス』岩波書店,1998
7 安井泉訳・解説 『鏡の国のアリス』新書館,2005
8 楠本君恵 『翻訳の国の「アリス」ールイス・キャロル翻訳史・翻訳論ー』未知谷,2001

というわけで、5,6,7の3冊を今回選んでみた。
4は解説本で、前回『不思議の国のアリス』の箇所だけしか読んでいないので、今回再び借りてみた。
8は3の訳者の著書で、翻訳、特にキャロルの文の翻訳という作業について論じたものだ。

今回も発行年順に読んでみようと思い、まず5から手を付けた。

導入の詩の次にいきなり出てきたのがチェスの盤面。
そしてその左ページには、物語の中でのアリスの行動をチェスのコマの動きで表したらしい、チェスの手順が。

いきなり困った。

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『不思議の国のアリス』 このトシになって初めて読んだ その2 [読書]

人生初『不思議の国のアリス』の件。

もう一度読んだ本をあげておこう。

1 石川澄子訳 『カラー版 不思議の国のアリス』東京図書,1989
2 脇明子訳 『愛蔵版 不思議の国のアリス』岩波書店,1998
3 楠本君恵訳 『不思議の国のアリス コンプリート・イラストレーションズ 
          テニエルのカラー挿絵全集』グラフィック社,2017
4 桑原茂夫著 『不思議の国のアリス 完全読本』河出文庫,2015 

1を読んで正直よくわからず、2を読むことに。
ところが、期待に反して?やっぱりよくわからない(^^;)
でも、2度目となると慣れてきたのか、
「こういう話なのだ」
とそのまま受け入れることができるようになってきた気が。
訳文も、1より自然な文章になっているような。

ちなみに重要な(^^;)挿絵だが、テニエルのオリジナルのカラーではなく、ハリー・G・シーカーによって彩色されて1911年に出版されたときのもの、及びそれにならって1995年にディズ・ウォリスが彩色したものを使用しているとのこと。
ちなみに、この1911年に出版されたときの彩色のアリスが、うす紫の服に縞模様の靴下という一般的なアリスのイメージを定着させたと、英マクミラン社による説明にあった。
自分は全く何もイメージを持ってなかったので、「ふーん」という感じだったが。
ちなみに妻に聞いたら、ディズニーアニメの、水色の服のイメージだ、とのこと。

そして、なおかつ、できるだけ原書と同じ位置に挿絵を置くように努めたという。
なるほど、だから文章も横書きなのか。
どうやらこの岩波書店版は、英マクミラン社が1995年に出版したものを、できるだけ体裁を崩さずに日本語版に訳したもののようだ。

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『不思議の国のアリス』 このトシになって初めて読んだ その1 [読書]

ちょっとしたことから『不思議の国のアリス』を一度読んでみようと思った。

自分は物語系の本はあまり好きじゃなくて、限られた作品以外はほとんど読んだことがない。
これは子供の頃の方が顕著で、いわゆる絵本、童話などといった子供向けの物語は全くと言っていいほど読んだことがなかった。
(威張って言うことではないが(^^;))
以前に記事にした『SOS!時計よとまれ』などは例外。

そんなこんなで、この世界的名作(でいいんだよね?)『不思議の国のアリス』もこれまで読んだことがなかった。
一応知っていたのは、著者のルイス・キャロルが少女好きだったらしいとかいう、ウソかホントかわからないようなこと。
それから、昔懐かしアニメ『ポールのミラクル大作戦』で出てきたトランプの兵隊?のモデルが『不思議の国のアリス』に出てきてるらしい、というようなことくらい。

そんな「アリス初心者」の自分が初めて読むにあたって、まず最初に考えたのが、どの『不思議の国のアリス』を読もうか、ということ。
名作だけあって、多くの出版社からいろんな訳者の『不思議の国のアリス』が出版されている様子。
とりあえず現実的には、市内の図書館の蔵書から借りて読むことになる。
それでも何冊もの『不思議の国のアリス』があるのである程度絞りたい。

本来なら訳の上手さをちゃんと見て選んだ方がいいのだろうが、これだと結局全部読むことになってしまう。
そこで条件として考えたのが、「挿絵」だ。
このような子供向けの本の場合、特に初めて読むときは、挿絵が読み手に与える影響は大きいと思う。

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桜の開花で大騒ぎ [読書]

(主に東京で)桜の開花宣言が出るかどうかで朝の情報番組は大騒ぎ。
ヒマだなあと思いつつ、古今和歌集の中の、自分が大好きなある歌を思い出す。

以下、歌、詞書、現代語訳文、解説は、
高田祐彦/訳注 『新版古今和歌集 現代語訳付き』角川ソフィア文庫 より引用。

  渚の院にて、桜を見てよめる   

 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし

 (世の中にまったく桜というものがなかったならば、
        春を過ごす人の心はのどかなものであろうに)
 ~解説~
 業平らしい、意想外の大胆な仮定。桜はその美しさと引き換えにいつ散るのかという
 不安がつきまとう。いっそ桜がなければおだやかに春を過ごせるだろうにと、人々を
 捉えてやまない桜の魅力を逆説的に詠む。

  
桜が咲いた散ったで大騒ぎするのは平安時代と変わらんなぁ・・・


ちなみに自分は在原業平が好きだ。
『伊勢物語』の主人公「昔男」に比定されることもある人物で、色好みとしても有名だ。
そんな彼だが、和歌の方でも独特のセンスが感じられる独創的な歌を残している。

まず有名なのは、小倉百人一首に採られている以下の歌だろう。

 ちはやぶる神代もきかず竜田川韓紅に水くくるとは

 (あの不思議なことが多かった神代でも聞いたことがない。
        竜田川が、韓紅色に水をくくり染めにするとは)
 ~解説~
 紅葉の括り染めは神代と比較しても前代未聞のできごととする。比較のスケールが
 大きく、大胆な見立てで意表をつくあたり、業平らしい。
 
大人気コミック『ちはやふる』のタイトルにも使われたので、マンガを読んで知った方も多いだろう。
だが、『古今和歌集』には他にも面白い歌がのっている。

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日本の古典文学への誘い その2 [読書]

いきなり訂正からだ。
前記事で、古典との出会いは『枕草子』の「春はあけぼの」だと思い切り言い切ってたが、これが違ったらしい。
教科書出版社の情報を調べたり、当時の授業のことをもう一度よく考えたら、『枕草子』じゃなかった。
どうやら最初は『竹取物語』っぽい。
よほど『枕草子』が印象に残っていたようだ。

他にも、『平家物語』の冒頭部分や、那須与一の扇の的を射る場面もあった。
木曽義仲の最期の部分は高校だったかな?
『源氏物語』は冒頭部分と、夕顔の死の場面だったか?これもどちらも高校か。
高校では『枕草子』の「清涼殿の丑寅の隅の」もあった。
『徒然草』は冒頭部分と「仁和寺にある法師」が中学だったか。
『更級日記』は冒頭部分がこれは高校か。
『方丈記』も冒頭部分を習った記憶があるなあ・・・中学か高校かはこれはわからない。
時代は大きく下るが『おくのほそ道』の冒頭もいつだっけ?

あらためて思い出すと、中学と高校の記憶がぐっちゃになってどちらかわからないものも多い。
しかし、どの話も、短いのだが、なかなか面白く、古典は好きな授業だった。
それで、いつか原文で古典を読みたいと、前記事で書いた通りなのだったが、結局実行せずじまい。

気が付けばアラフォーという、今から5~6年前。
ん?もう少し前かな?
きっかけは忘れたが、小野小町に興味が湧き、彼女に関する本を数冊読んでみた。

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