『不思議の国のアリス』 このトシになって初めて読んだ その3 [読書]
せっかく『不思議の国のアリス』を読んだので、その勢いで、続編ともいうべき『鏡の国のアリス』にも挑戦。
記事のタイトルはあえてそのままにしておいた。
今回もやはりテニエル画を採用している本をチョイス。
そして一応、前回読んだ『不思議の国のアリス』も合わせて再度紹介。
1 石川澄子訳 『カラー版 不思議の国のアリス』東京図書,1989
2 脇明子訳 『愛蔵版 不思議の国のアリス』岩波書店,1998
3 楠本君恵訳 『不思議の国のアリス コンプリート・イラストレーションズ
テニエルのカラー挿絵全集』グラフィック社,2017
4 桑原茂夫著 『不思議の国のアリス 完全読本』河出文庫,2015
5 北村太郎訳 『鏡の国のアリス』王国社 海外ライブラリー,1997
6 脇明子訳 『愛蔵版 鏡の国のアリス』岩波書店,1998
7 安井泉訳・解説 『鏡の国のアリス』新書館,2005
8 楠本君恵 『翻訳の国の「アリス」ールイス・キャロル翻訳史・翻訳論ー』未知谷,2001
というわけで、5,6,7の3冊を今回選んでみた。
4は解説本で、前回『不思議の国のアリス』の箇所だけしか読んでいないので、今回再び借りてみた。
8は3の訳者の著書で、翻訳、特にキャロルの文の翻訳という作業について論じたものだ。
今回も発行年順に読んでみようと思い、まず5から手を付けた。
導入の詩の次にいきなり出てきたのがチェスの盤面。
そしてその左ページには、物語の中でのアリスの行動をチェスのコマの動きで表したらしい、チェスの手順が。
いきなり困った。
というのも自分はチェスについてほとんど知識が無いのだ。
このためにわざわざチェスを買うのもなんだし、とりあえず一度読んでから、と思い後回しにした。
ちなみに、この盤面と手順は、チェスが広く普及していない日本で翻訳書を出版するにあたって加えられたものではなく、もともとの原書にも同じようにあるものらしい。
次のページに、キャロルによるチェスの解説がある。
で、実はこの本には誤植があるのを後から気づいた。
8手目でアリスが移動する先のマスが「d9」とあるのだが、チェスの盤面は8×8だ。
「d9」というマスなど存在しない(^^;)
さて、本編を読み始めて間もなく、文章に違和感を覚えるようになってきた。
というのも、地の文体が、「~たんだよ」「~になっちまったのさ」というような感じで、これがいちいち気になって仕方がない(^^;)
さらに、アリスのセリフも「~じゃん」「~っつーの!」「いってみっか」といった具合で、これまた気になってしまう。
『ダーティペア』かよ、などと思わず突っ込んでしまった(^^;)
訳者の北村太郎、自分はこういう方面に疎いためよく知らないのだが、詩人らしい。
が、翻訳も数多く手掛けているようだ。
ちなみに、この本が出版された1997年にはすでに亡くなっている(1992年に死去)。
生前に手掛けたものの再版ということか。
実際には何年くらいまえの作品だったんだろうか。
背表紙には
「ふしぎの国のアリス」に続く詩人の待望の訳し下ろし
アリスが鏡の国で体験する夢の世界の素敵な冒険
定評ある日本語で見事に再現
とある。
う~ん「定評ある日本語で見事に再現」ね~。
申し訳ないけれど、これには同意しかねるなぁ。
先に読んだ3冊の『不思議の国のアリス』で、おぼろげながらも自分なりに世界観やアリスという少女について理解したつもりだけど、本書の雰囲気は残念ながら自分のイメージには合わない。
人によってはいいのかもしれないけど。
チェスの話に戻るが、先述の通り、コマの動きがあらかじめ紹介されており、それが本書のどのページに当てはまるのか、ということまで一応説明してある。
ところが、いざ読んでみると、最初のチェスの説明がなければ、いつ、どのコマをどこへ動かしたのか、ということについては、本文でほとんど書かれていない。
つまり、本文を読んだだけではその通りにチェスの対局を再現するのは不可能なのだ。
で、肝心の物語についてだが、そのナンセンスさにさらに磨きがかかっているような、というか行き過ぎかな?と思ってしまう場面もあるように感じられた。
そうはいっても、わけのわからない登場人物(?)がわけのわからない言動をする、という前作から続くパターンはかわらないので、『不思議の国のアリス』を初めて読んだときのような混乱はなかった。
また、この作品には前作に引き続き『マザー・グース』をとりいれた物語となっているが、前作よりもさらに『マザー・グース』を意識したものになっているようだ。
「ハンプティ・ダンプティ」などは自分も聞いたことがある名前だ。
名前とその姿しか知らないけど(^^;)
そんなこんなで、5 北村太郎訳 『鏡の国のアリス』を読み終えたところだ。
さて、次は 6 脇明子訳 『愛蔵版 鏡の国のアリス』だな。
これは すでに読んだ、2 脇明子訳 『愛蔵版 不思議の国のアリス』と対になるもののようだ。
チェス盤自作してみようかな。
エクセル使えばすぐできそうだし。
記事のタイトルはあえてそのままにしておいた。
今回もやはりテニエル画を採用している本をチョイス。
そして一応、前回読んだ『不思議の国のアリス』も合わせて再度紹介。
1 石川澄子訳 『カラー版 不思議の国のアリス』東京図書,1989
2 脇明子訳 『愛蔵版 不思議の国のアリス』岩波書店,1998
3 楠本君恵訳 『不思議の国のアリス コンプリート・イラストレーションズ
テニエルのカラー挿絵全集』グラフィック社,2017
4 桑原茂夫著 『不思議の国のアリス 完全読本』河出文庫,2015
5 北村太郎訳 『鏡の国のアリス』王国社 海外ライブラリー,1997
6 脇明子訳 『愛蔵版 鏡の国のアリス』岩波書店,1998
7 安井泉訳・解説 『鏡の国のアリス』新書館,2005
8 楠本君恵 『翻訳の国の「アリス」ールイス・キャロル翻訳史・翻訳論ー』未知谷,2001
というわけで、5,6,7の3冊を今回選んでみた。
4は解説本で、前回『不思議の国のアリス』の箇所だけしか読んでいないので、今回再び借りてみた。
8は3の訳者の著書で、翻訳、特にキャロルの文の翻訳という作業について論じたものだ。
今回も発行年順に読んでみようと思い、まず5から手を付けた。
導入の詩の次にいきなり出てきたのがチェスの盤面。
そしてその左ページには、物語の中でのアリスの行動をチェスのコマの動きで表したらしい、チェスの手順が。
いきなり困った。
というのも自分はチェスについてほとんど知識が無いのだ。
このためにわざわざチェスを買うのもなんだし、とりあえず一度読んでから、と思い後回しにした。
ちなみに、この盤面と手順は、チェスが広く普及していない日本で翻訳書を出版するにあたって加えられたものではなく、もともとの原書にも同じようにあるものらしい。
次のページに、キャロルによるチェスの解説がある。
で、実はこの本には誤植があるのを後から気づいた。
8手目でアリスが移動する先のマスが「d9」とあるのだが、チェスの盤面は8×8だ。
「d9」というマスなど存在しない(^^;)
さて、本編を読み始めて間もなく、文章に違和感を覚えるようになってきた。
というのも、地の文体が、「~たんだよ」「~になっちまったのさ」というような感じで、これがいちいち気になって仕方がない(^^;)
さらに、アリスのセリフも「~じゃん」「~っつーの!」「いってみっか」といった具合で、これまた気になってしまう。
『ダーティペア』かよ、などと思わず突っ込んでしまった(^^;)
訳者の北村太郎、自分はこういう方面に疎いためよく知らないのだが、詩人らしい。
が、翻訳も数多く手掛けているようだ。
ちなみに、この本が出版された1997年にはすでに亡くなっている(1992年に死去)。
生前に手掛けたものの再版ということか。
実際には何年くらいまえの作品だったんだろうか。
背表紙には
「ふしぎの国のアリス」に続く詩人の待望の訳し下ろし
アリスが鏡の国で体験する夢の世界の素敵な冒険
定評ある日本語で見事に再現
とある。
う~ん「定評ある日本語で見事に再現」ね~。
申し訳ないけれど、これには同意しかねるなぁ。
先に読んだ3冊の『不思議の国のアリス』で、おぼろげながらも自分なりに世界観やアリスという少女について理解したつもりだけど、本書の雰囲気は残念ながら自分のイメージには合わない。
人によってはいいのかもしれないけど。
チェスの話に戻るが、先述の通り、コマの動きがあらかじめ紹介されており、それが本書のどのページに当てはまるのか、ということまで一応説明してある。
ところが、いざ読んでみると、最初のチェスの説明がなければ、いつ、どのコマをどこへ動かしたのか、ということについては、本文でほとんど書かれていない。
つまり、本文を読んだだけではその通りにチェスの対局を再現するのは不可能なのだ。
で、肝心の物語についてだが、そのナンセンスさにさらに磨きがかかっているような、というか行き過ぎかな?と思ってしまう場面もあるように感じられた。
そうはいっても、わけのわからない登場人物(?)がわけのわからない言動をする、という前作から続くパターンはかわらないので、『不思議の国のアリス』を初めて読んだときのような混乱はなかった。
また、この作品には前作に引き続き『マザー・グース』をとりいれた物語となっているが、前作よりもさらに『マザー・グース』を意識したものになっているようだ。
「ハンプティ・ダンプティ」などは自分も聞いたことがある名前だ。
名前とその姿しか知らないけど(^^;)
そんなこんなで、5 北村太郎訳 『鏡の国のアリス』を読み終えたところだ。
さて、次は 6 脇明子訳 『愛蔵版 鏡の国のアリス』だな。
これは すでに読んだ、2 脇明子訳 『愛蔵版 不思議の国のアリス』と対になるもののようだ。
チェス盤自作してみようかな。
エクセル使えばすぐできそうだし。
北村太郎、朝日新聞の校閲部に在籍してたことは知ってましたが、
校閲部だからでしょうか? 若者のような言葉遣いですね(^_^;)
by middrinn (2019-07-22 21:20)
TVのダーティペアの最終回はチェス殺人事件でしたな。
by 燃焼豚 (2019-07-23 12:31)
>middrinnさん
校閲部は若者言葉や流行語にも明るくないといけないんですよね?
それにしても、アリスの性格がどうも違うように感じてしまいます。
これはこれで北村太郎の解釈なのかもしれませんが。
by enokorogusa (2019-07-23 19:19)
>燃焼豚さん
確かにそうでした(^^;)
自分の住んでた地域では放送されなかった幻の最終回…
by enokorogusa (2019-07-23 19:21)