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日本の古典文学への誘い その2 [読書]

いきなり訂正からだ。
前記事で、古典との出会いは『枕草子』の「春はあけぼの」だと思い切り言い切ってたが、これが違ったらしい。
教科書出版社の情報を調べたり、当時の授業のことをもう一度よく考えたら、『枕草子』じゃなかった。
どうやら最初は『竹取物語』っぽい。
よほど『枕草子』が印象に残っていたようだ。

他にも、『平家物語』の冒頭部分や、那須与一の扇の的を射る場面もあった。
木曽義仲の最期の部分は高校だったかな?
『源氏物語』は冒頭部分と、夕顔の死の場面だったか?これもどちらも高校か。
高校では『枕草子』の「清涼殿の丑寅の隅の」もあった。
『徒然草』は冒頭部分と「仁和寺にある法師」が中学だったか。
『更級日記』は冒頭部分がこれは高校か。
『方丈記』も冒頭部分を習った記憶があるなあ・・・中学か高校かはこれはわからない。
時代は大きく下るが『おくのほそ道』の冒頭もいつだっけ?

あらためて思い出すと、中学と高校の記憶がぐっちゃになってどちらかわからないものも多い。
しかし、どの話も、短いのだが、なかなか面白く、古典は好きな授業だった。
それで、いつか原文で古典を読みたいと、前記事で書いた通りなのだったが、結局実行せずじまい。

気が付けばアラフォーという、今から5~6年前。
ん?もう少し前かな?
きっかけは忘れたが、小野小町に興味が湧き、彼女に関する本を数冊読んでみた。
もともと『小倉百人一首』に採られている、

 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに

の歌が好きだったので、そのあたりが小野小町に注目した理由のひとつだったか。
で、彼女の他の歌も知ることになったのだが、上記の歌よりも気に入った歌をみつけたりして楽しかった。
なかでも、

 色見えで移ろふものは世の中の人の心の花にぞありける

 思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを

の2首はとても気に入った。
「花の色は~」もわかりやすくていいのだが、「色見えで~」の方が、より深い人生観を詠んでいる気がする。
な~んて、わかったようなことを書いたりして。
ただ、平安時代でも、こちらの方を評価する人もいたそうだ。

さて、小野小町のプチマイブームが終わって、次に手を出したのが、『伊勢物語』だった。
こちらも書名は忘れてしまったのだが、原文と現代語訳文が載っているものだったと思う。
その本に書いてあったのかもしれないが『伊勢物語』は、一段が短く、内容も難しくないので、古典初級者にはおススメだという。
確かに、あまり理解に苦しむことなく、原文でも結構素直に頭に入ってくるので、読んで楽しく、また、歌もたくさん載っていて面白かった。

ただ、なぜ『伊勢物語』だったのか?これははっきり覚えていない。
『伊勢物語』の主人公に比定されることもある在原業平に興味があったのは確かだが・・・
在原業平は、桓武天皇の曾孫、母系をたどると桓武の孫という血統を持ちながら、臣籍降下した人物。
いろんな女性と浮名を流し「色好み」と呼ばれることも。
『小倉百人一首』には、

 ちはやぶる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くゝるとは

の歌が採られているが、『古今和歌集』にはもっと面白い歌がいくつも入っている。
これについてはそのうち『古今和歌集』について書くときにでも。

次に読みたくなったのは、自分にとっての古典の原点と思っていた『枕草子』。
だが、ここで一思案。
せっかく読むのなら、ここはひとつ古典を古い順に読んでいってみようと思った。
で、せっかく読むのなら、原文はもちろん、現代語訳文に加え、用語解説の注釈が充実しているものがよいと考えた。

「古い順に網羅」「内容の充実」という2点から、全集がよいと考え、図書館所蔵の中から選んだのが小学館の『新編日本古典文学全集』だ。
この全集は、本文ページが上中下の3段に分かれており、原文が真ん中に、上段には用語等の詳細な注釈が、下段には現代語訳文と、内容的に申し分なかった。
また、比較的近年の発行であること、読みやすい字体であることも選んだ理由になった。

さあ、記念すべき第1巻は、これもやはり一度は全文読みたいと思っていた『古事記』だ。
日本史好きなら特に読んでおきたい超メジャー古典。

このようにして、いつ終わるともわからない長い長い古典読破の旅へと歩き出したのだった。


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middrinn

「古典」という科目の教科書は、小生も似たような内容だったはずですが、
その内容を全く記憶してなくて、面白かったという記憶もありません(+_+)
良い先生に恵まれたのでは?と外在的原因に帰属をさせてしまいます^_^;
別に古文が読めるわけではないのですが、やはり原文がないと、複線構造を
愉しめませんし、語釈や一節ごとに解説・観賞がないとねぇ^_^; 角川文庫
のだと原文と現代語訳が離れた頁に掲載されてますけど、小学館の全集だと
同じ頁だからいいですよね(^^) ただ、一つの注釈書に依存は不安です^_^;
by middrinn (2018-08-24 19:09) 

enokorogusa

文学というよりも、好きな日本史の枠内として興味を持っていたのかもしれません。
まず原文を、わからない言葉は上段の語釈で補いつつある程度読んで、最後に現代語訳で文意を確認する、というような読み方をしています。
>ただ、一つの注釈書に依存は不安です
これは耳が痛いです(^^;)
そこまではなかなか手がまわらなくて・・・
とりあえず読んで満足してしまうことが多いので。
by enokorogusa (2018-08-25 16:48) 

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