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もう一度読みたいマンガ その6『一球さん』 ※ネタバレ注意 [コミック]

久しぶりのコミック感想はこの作品で。

 『一球さん』(作/水島新司)
   連載『週刊少年サンデー』1975年21号~1977年52号

自然児・真田一球は並外れた身体能力を持っているが、野球はルールも知らない全くのド素人。
そんな彼が、名門・巨人学園の野球部に入部し、周囲を騒がせながらも
持ち前の明るさと破天荒なプレイでチームの中心的存在となり、
個性溢れるチームメイト達とともに甲子園出場を目指して戦っていく。

・・・あらすじはこんな感じかな?

久しぶりなので改めて述べておくが、このブログのコミック感想は、
自分の記憶だけを頼りに書いていくので、結構いい加減である(^^;)
正しい内容を確認したい方は、そういうサイトで見てください。

作者の水島新司については、もう説明不要だろう。
言うまでもなく野球マンガの第一人者。
特にこの作品が描かれた1970年代は、『男どアホウ甲子園』『野球狂の詩』『ドカベン』『あぶさん』など、他にいくつもの人気作品を世に送り出した。

というか、これらの作品の方が『一球さん』よりずっと有名なのでは?
それなのに、どうしてここで『一球さん』なのか?

実は、自分は、水島作品でちゃんと読んだことがあるのはこの『一球さん』だけなのだ。
他に読んだことがあるのは『野球狂の詩』の水原勇気編や、長い長い『あぶさん』のごく一部。
『ドカベン』に至っては、山田が柔道着を着ている記憶しか無い(^^;)
しかし、『一球さん』は、兄弟の誰かが買ったのだろう、少年サンデーコミックスの単行本が数巻、家にあり、面白かったのでその後、最終巻まで買い足していったのだった。

そうはいっても、『野球狂の詩』『ドカベン』と並んで『一球さん』もアニメ化されたのだから、それなりに人気があったのだろうと思われる。


始まりはこんな感じだったはず。
巨人学園がある強豪大学の野球部と練習試合。
ちなみに相手ピッチャーは大学野球のスター五味(兄)。
サウスポーで投球の合間に左手を高く上げて「コキコキ」と手首を動かすのが印象的。
(後で実は高校生の五味(弟)だったことが判明)
そこへ突然現れた真田一球。
野球をするのはこの日が初めてだが、とてつもない身体能力を示す。
この「野球は素人+並外れた身体能力+天真爛漫で前向き」というのが一球というキャラの魅力。

その後、巨人学園は一軍対二軍の紅白戦。
二軍には、一球の他に「三球士」こと堀田、司、一角など岩風二軍監督が連れてきた面々が。
堀田は左投げなのにセカンド、司は頭脳はのキャッチャー、一角は大男。
結局二軍が勝利して岩風が正式に監督に。
この岩風監督は他の水島作品に出てきているらしい。
ちなみに一球も『大甲子園』に出てるか。
一軍メンバーで残ったのは、エースの大友、ファーストの佐藤くらいだったかな?

巨人学園は守備の時もヘルメット着用。
岩風は「赤ヘル軍団」だと言っていた。
この作品の連載が始まった1975年は、広島カープが球団創設史上初のセ・リーグ優勝した年。
元祖「赤ヘル」こと広島を意識したのかな?

エースの大友は自分がチームの中心だというプライドが非常に高い。
春の甲子園にも出場して活躍、学園のマドンナ的女子生徒(確か学園のお偉いさんの娘?名前忘れちゃった)に惚れている。
ところが、破天荒な一球の登場以降、チームの中心的存在は一球に。
エースの座も絶対のものではなくなってしまう。
大友に忖度せず指示を出すキャッチャー司との関係も微妙。
元は二軍監督で一球や三球士を重用する岩風に対して反感もある。
あげくに学園のマドンナまでが、一球の不思議な魅力に惹かれていく。

プライドをズタズタにされた大友は酒におぼれる(高校生だよ!)
これ、今の時代じゃ描けないな(^^;)出場停止だよ。
まあでも、大友の気持ちもわかるよ。
いきなり入ってきたド素人が自分を差し置いてピッチャーを務めたり、自分が投げているときに一球が打球にグラブを投げつける反則を犯したり。
一球に罪はないとはいえ好きな女の歓心まで奪われりゃねぇ。
でも、ちゃんとチームに戻ってくる大友、自分は好きなキャラだった。

方や一球は山中でテント暮らし。
なぜか前掛けをかけた九郎という弟分と一緒に生活している。
薪?を背負って坂を上ったり、真剣の上に立って精神統一するなど、独特の鍛錬。
陰から見守るおじさんがいるけど、お父さん?

とても面白い作品なんだけど、最後だけはあんまり好きじゃなかった。
いろいろありつつも甲子園出場を決めた巨人学園だが、一球が甲子園に連れていったメンバーは・・・

それにしても、最後に読んだのいつだろう?
サンデーコミックス全巻持ってたはずなんだけどなぁ。
引っ越しを繰り返すうちに処分しちゃったのか・・・

それと、先に、水島新司のこと、野球マンガの第一人者って書いたけど、
彼の場合「野球マンガ」っていうより「野球人情マンガ」だよね。


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コメント 6

middrinn

名前と赤いヘルメットと巨人学園なことしか知りません(^_^;)
岩風は一見で豆タンと判りました(^o^)丿 『男どアホウ甲子園』
は単行本も何冊か買いましたし、読んでたので(^_^;) あだち充
の野球漫画と同様、水島新二は読ませる力がマジ凄いですね(^^)
たしかに『あぶさん』とかも『浮浪雲』のような人情物かな(^^)
キャラ造形も優れているので『大甲子園』のような企画が(^_^;)
by middrinn (2020-06-10 19:14) 

enokorogusa

『あぶさん』などは、特に作品の初期では、代打でしか出番がないので、野球の場面よりも、後に結婚する娘さんがいるいつもの居酒屋の場面の方が多かったような(^^;)
『野球狂の詩』も、通な人は水原勇気編よりも、岩田鉄五郎や、火浦と王島の兄弟の話の方が面白いという話も聞きますし。
ところで、お手元の『プロレススーパースター列伝』単行本の巻末宣伝頁に『一球さん』はありましたでしょうか?(^^;)

by enokorogusa (2020-06-11 19:04) 

middrinn

手元の『プロレススーパースター列伝』⑨~⑪は全て1982年刊で、
どれも巻末に「『一球さん』全14巻発売中!!水島新司」と(^^)
by middrinn (2020-06-11 19:36) 

enokorogusa

お約束を果たすことができてよかったです(^^)
次は何を読もうかなぁ?
読んだけれど書く機会をのがしちゃったのもありますし・・・
by enokorogusa (2020-06-11 20:38) 

燃焼豚

一球さんは後半しか読んでいなかったかな。男どアホウ甲子園の藤村甲子園の弟と甲子園で対決したのは面白かったな。
by 燃焼豚 (2020-06-27 06:39) 

enokorogusa

それは『大甲子園』でしょうか?
それとも『一球さん』の甲子園での1回戦の相手?
『一球さん』のラストの記憶はおぼろげで、『大甲子園』は残念ながら読んでなくて・・・(^^;)
by enokorogusa (2020-06-29 18:54) 

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