SSブログ

スキージャンプW杯2018/19 トロンハイム大会 3月14日 RAW AIR 第3ラウンド [スキージャンプ]

RAW AIR第3ラウンドはトロンハイム。

前回記事で原田雅彦についてちょっと意地悪して書いた。
しかし、彼の名誉のために言っておくと、彼はこのトロンハイムで行われた1997年の世界選手権ラージヒルで見事金メダルを獲得している。
これは、これまでに日本選手が世界選手権のラージヒルで獲得した唯一の金メダルだ。
さらに言うと、1993年ファルン(スウェーデン)での世界選手権でノーマルヒルの金メダルを獲得しており、これはすなわち、世界選手権のラージヒルとノーマルヒルの両方で金メダルを獲得した唯一の日本選手ということになる。


3月14日
ノルウェー トロンハイム大会(HS138)
W杯個人第26戦(うち第6戦は中止)

優勝 298.4点 小林陵侑(土屋ホーム)
2位 288.0点 スチヤネン(ノルウェー)
3位 280.5点 クラフト(オーストリア)

16位 伊東大貴(雪印メグミルク)
20位 小林潤志郎(雪印メグミルク)
22位 佐藤幸椰(雪印メグミルク)
28位 中村直幹(東海大学)

この日は追い風基調であるものの、強いというほどでもなく、安定しているため、選手たちもスタート台でほとんど待つことなく順調に競技が進むという、ジャンプ日和。
2本目はさらに風が弱まり、ウィンドファクターは+3点前後。
数字上はほとんど無風だ。
そのため、1本目の順位の低い選手から飛んでいく2本目は、飛んだ選手がその時点でトップに立っては、次の選手に抜かれていくという、「あるべき姿」で競技が進行、見ていても気持ちよかった。

そんなイコールコンディションの中、小林陵侑がシーズン前半の絶好調時を思わせるジャンプを披露、
ただ一人2本とも140mを超えるジャンプで完勝。
特に2本目は最後飛び過ぎを防ぐためにわざと降りてきたように見えるくらいだった。

しかし、この日のもう一人の主役はスチヤネン。
彼はこの日の試合を最後に引退することを表明していた。
今シーズン、なかなか表彰台に立つことがなかったスチヤネンだが、なんとこの日は見事に2位表彰台。
2本目飛んだ時点でトップにたち、地元ノルウェーの観客はすごい盛り上がり。
他の国のジャンパーも交じってスキー板でアーチをつくり、スチヤネンを迎える。

このまま優勝もあるか、とも思われたが、今日の陵侑は別次元だった。
それでも、陵侑と握手し、優勝を称えるスチヤネン。
表彰台で有終の美を飾ったその顔はすがすがしい笑顔に満ちていた。
おめでとう、そしてさようなら、スチヤネン。

さて、RAW AIRも残るはビケルスンで行われるフライングヒル。
予選含め5本のジャンプが残っている。

トロンハイム終了時点の上位3名は以下の通り。

1位 1356.4点 クラフト
2位 1346.9点 小林陵侑
3位 1341.2点 ヨハンソン(ノルウェー)

トロンハイムでヨハンソンがやや伸びず、3位へ転落し、クラフトが首位に立った。
しかし点差は詰まり、トップのクラフトとの差は陵侑はわずか9.5点差、ヨハンソンでも15.2点差と、トップ3はいつでもひっくり返るようなクロスした戦いだ。
逆に4位のフォーファン(ノルウェー)は3位との差が80点以上に広がった。

ビケルスンのフライングヒルは比較的近年になって改築され、HS240とフライングヒルの中でも大型の台だ。
特徴的なのは、一歩間違えば大怪我につながる危険性を持つフライングヒルの安全性を高めるため、ランディングバーンの斜面を、選手の飛行曲線にできるだけ近いようにつくってあることだ。
そのため、K点付近でスキーの後端をランディングバーンに引きずりながらもなかなか着地せずに飛んでいく、という姿をしばしば見ることができる。

また、ヒルサイズより先の斜面も比較的余裕をもってつくられているため、ヒルサイズオーバーの250mを超えるような大ジャンプを見ることもできて、その迫力は画面で見ていてもすごいものがある。

さて、選手たちはトロンハイム大会終了次第一旦オスロへ帰り、そこから各国の選手やコーチ陣みんなでいっしょにチャーター機でビケルスンへと向かうらしい。
飛行機の中はどんな雰囲気なのだろうか。
ちょっと興味深い(^^)


nice!(1)  コメント(4) 
共通テーマ:スポーツ

nice! 1

コメント 4

middrinn

新聞記事によると、スチヤネンを応援する地元の人々の声援で、
小林陵侑はアウェイ感が半端なかったんじゃないか、とか^_^;
by middrinn (2019-03-16 09:39) 

enokorogusa

映像でみていても、スチヤネンのときの歓声はものすごかったです。
特に2本目のジャンプで暫定1位にたったときは、割れんばかりでした。
その中で自分を見失わなかった陵侑選手はすばらしかったと思います。
by enokorogusa (2019-03-16 17:41) 

燃焼豚

新聞がないのでTVニュースのうろ覚えでは一般ニュースはあさっりと流れ、スポーツニュースでは、スキヤネンが暫定1位というとまで見てませんが小林選手が優勝した事だけ確認しました。
by 燃焼豚 (2019-03-30 16:50) 

enokorogusa

この試合の前に陵侑選手の総合優勝はもう決まっていましたし、スチヤネンも日本では有名な選手ではないので、ニュースの扱いとしてはそんなものでしょう(^^;)
おそらく来季開幕戦の陵侑選手の成績はニュースで流れるはず。
ただ、スキージャンプはデリケートな競技なので、毎年強い選手が変わります(だからこそ総合優勝を複数回遂げることに大きな価値があるわけですが)。
勝つのが当たり前という目で見られるとちょっとつらいかな。
by enokorogusa (2019-03-30 18:05) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。