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スキージャンプW杯2018/19 ニジニタギル大会 小林陵侑が3勝目! [スキージャンプ]

スキージャンプのW杯。
12月1日~2日
ロシアのニジニタギル(HS134)での2連戦。

12月1日
個人第4戦
優勝 フォーファン(ノルウェー)
2位 ズィワ(ポーランド)
3位 小林陵侑(土屋ホーム)

27位 中村直幹(東海大学)
30位 小林潤志郎(雪印メグミルク)
35位 葛西紀明(土屋ホーム)
41位 竹内拓(北野建設)
44位 伊東大貴(雪印メグミルク)

1本目134mを飛んで首位に立った陵侑だったが、2位以下との差はあまりない。
2本目はもうひとつ距離が伸びず微妙な状況。
結局3位だったが、優勝したフォーファンとは2.4点差、2位のズィワとは2.2点差の僅差。
惜しい結果だった。


12月2日
個人第5戦
優勝 小林陵侑
2位 フォーファン
3位 ズィワ

18位 中村直幹
19位 小林潤志郎
23位 伊東大貴
34位 葛西紀明
39位 竹内拓

この日は緩い向かい風が安定して吹く絶好のジャンプ日和のようだ。
ウィンドファクターもほとんどの選手がマイナス3~6点に収まっている。
ウインドファクターとは、選手に有利な向かい風だとマイナス、不利な追い風だとプラスされるポイントのことだ。
導入前は賛否両論あったが、何度か改良が加えられ、今ではすっかり浸透している。

ちなみに一言で「向かい風」「追い風」というが、実際には、ランディングバーンの7か所くらいで観測した風の強さと風向きを総合して数値化されるため、必ずしも選手の体感とは違う場合もあるが、この制度の無い時代に比べればずっといい、というのが選手たちの感想のようだ。
もちろん、ジャンプ台によって補正のされ方が違う。

そんなウインドファクターだが、そうは言っても風は弱いに越したことはないので、この日はいい日だったように思える。
(日本語実況がなく、テロップでしか判断できないので、実際にどうだったかは、はっきりとは言えないのだが・・・)

1本目を終わって陵侑がトップ。
これで4戦連続だ。
もはや指定席になりつつある。
だが、2位とは3点差と、差はない。

そして、何と1本目を終わった時点で、9位までが全て違う国の選手となっている。
これまで見たことがないような状況だ。
2位フォーファン(ノルウェー)
3位ドメン・プレフツ(スロベニア)
4位クラフト(オーストリア)
5位ストッフ(ポーランド)
6位アールト(フィンランド)
7位パイアー(スイス)
8位ライエ(ドイツ)
9位ビックナー(アメリカ)

プレフツ兄弟は兄のペテルがケガもあって出場していないが、一昨年前半に一時絶好調だった弟ドメンが今年は好調だ。
以前はスキーの間から顔どころか胸までも前に出る超攻撃的スタイルだったが、好調も長く続かず、いつしか消えていった。
それが、身長も伸びた感じで、フォームもかなり一般的なものに近づいて、大人びた落ちついた雰囲気をまとって今季は帰ってきた。

そして注目はアールトだ。
ここ数年、日本以上に不振をかこっていたフィンランド。
そもそもジャンプが伝統的に強い国は4つあって、ドイツ、オーストリア、ノルウェー、そしてフィンランドだった。
それが、2000年代のアホネンの活躍後、目も当てられないような大不振。
2本目の30人に残る選手さえほとんどいないシーズンが続いた。
ようやく少しずつ、本当に少しずつではあるが、調子を取り戻しつつある。
その先鋒がこのアールトだ。

そして迎えた2本目。
前日悔しい思いをした陵侑だが、この日は素晴らしいジャンプ。
ヒルサイズにせまる133.5m。
合計得点で2位に13.9点の差をつけて、見事に今季3勝目。
これで今季5戦して3勝3位2回と、すべて表彰台に載っている。
もちろん、総合ランキングトップだ。
これまで個人戦合計9本のジャンプで、その回のトップだったのがなんと6本。
開幕戦を除けば7本中6本と、無双状態だ。

結局順位は違えど表彰台の顔ぶれは前戦と変わらず。
4位以下はストッフ以外はビッグネームがほとんど見られない。
せいぜいノルウェー勢がフォーファン含め10位までに3人残ったほかは、優勝経験があるのはクリモフ(ロシア)くらいで、表彰台経験もほとんどない選手たち。
そのクリモフも今季の開幕戦で初優勝したばかり。
明らかに昨季までとは様相が変わっている。

訂正追記:ズィワは2013年3月オスロで優勝していた。

これは第4戦でも同じ傾向で、ストッフとクラフト(オーストリア)以外はやはり優勝経験や表彰台経験が少ない、またはない選手が上位に顔を出していた。

そういう日本勢も、陵侑以外は、潤志郎と中村がなんとか踏ん張っているが彼ら以外はなかなか2本目に進めていない。
日本が復活したのではなく、陵侑がいきなり強くなった、という感じで、決してチーム全体で喜べる状況ではない。
陵侑の好調の要因をうまく解析してチームで共有して各選手も調子をあげていけるといいのだが。


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コメント 4

middrinn

小林陵侑選手の活躍は、一般紙の記事で知ってましたが、
玉稿はメチャ詳しいですね( ̄◇ ̄;) しかも啓蒙的(^^)
フィンランドがそんな状態だったとは((;゚Д゚)ヒィィィィィィ!
鳥人ニッカネンしか小生は思い浮かびませんけど(^_^;)
by middrinn (2018-12-04 23:02) 

enokorogusa

公式結果などはFIS(国際スキー連盟)のサイトも参考にしてます。
啓蒙的だなんて、もったいないお言葉、恐縮です(^^;)
ニッカネン、大好きでした。
好調時は、負けそうな雰囲気が全くなかったまさに「鳥人」でしたね。
by enokorogusa (2018-12-05 19:49) 

燃焼豚

こうして改めて解説されると世界の層の厚さが伺えます。それを退けて優勝した小林選手はやはり凄いとしか言いようがありません。
by 燃焼豚 (2018-12-10 18:47) 

enokorogusa

土屋ホームの監督である葛西紀明選手も自身のブログ(2018年11月26日(月))で以下のように書いてます。

  こうなることを望み、願い、社会人4シーズン目にしてようやく
  スーパーサイヤ人に変身!(p>v<*嬉q)♪+。★
  今の陵侑にはストッホもヴェリンガーもNORIも勝つことが
  出来ないでしょう!(^_^;)
  ゲートが低くても風が悪くても勝っちゃうね!
  昔のニッカネンやシュリーレンツァウワーを見てるような感じ。

四半世紀以上も世界で戦っている葛西選手もびっくりの陵侑選手のこの間の戦績です。
by enokorogusa (2018-12-10 20:01) 

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