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懐かしマンガ その1「うる星やつら」※ややネタバレ注意 [コミック]

忙しくなるとついマンガを読みたくなりませんか?
家の片づけなどをしていると出てきたマンガをつい読んでしまったりしますよね?

そんなわけで、最近マンガをちょくちょく読んでいる。
忙しいのに。

とりあえず手に取ったのは「うる星やつら」だ。
何をいまさら、という超メジャー作品。
高橋留美子の実質的デビュー作であり、代表作でもある。
まあ、彼女の場合、週刊少年サンデーの連載すべてが長期化・アニメ化されているので、すべて代表作といえなくもないが。

自分がこの作品を知ったのはいつの頃だろう。
アニメ化の際には、「あのうる星やつらがアニメ化か」と思ったことは覚えているので、少なくともそれ以前のいつかだとは思うのだが、はっきりと思い出せない。

連載中期以降は確かにサンデーで読んでいたが、実は連載初期は読んでいない。
なにしろ連載開始は自分が小学生に入る前だ。
なので完読するのは今回が初めてだったりする。
既読部分も数十年振りだ。
読み終わって思ったのは「こんなに面白かったっけ?」。
自分の貧弱な語彙ではなかなかうまく表現できないが、とにかく面白い。

基本一話完結、たまに数話で1エピソードとなっているが、それでいて、はずれの話がほとんどなく、非常に高いレベルで安定して面白いのだ。
なるほどこれは人気が出て当たり前。
「タッチ」と並んで80年代サンデー黄金期の2大連載との声も聞かれるのもわかる。
が、好みにもよるが、自分は「うる星」の方がずっと面白いと思う。

長期連載であり、作者の実質デビュー作でもあることから、作風や絵柄が年月とともに変わっていく。
これはよくあることだ。
自分は中期以降の安定期が好みだが、これは人によってかわるだろう。

この作品には非常に多くのキャラクターが出てくるのだが、最大の「発明」は、「錯乱坊(チェリー)」と「竜之介」だろう。
初期から登場する錯乱坊は、ギャグのオチとして非常に多く使われるし、女性なのに男子として育てられた竜之介は、中期から登場し、主要キャラとしての地位をまたたくまに築いた。

人気が出て長期連載になってくると、どうしてもマンネリ感が出てきたり、勢いが衰えたりしてもおかしくないのだが、この作品に関しては、そういうこともあまり感じなかった。
どちらかというと、突然、無理やり終わらせたような感じがする。

長期連載のひとつの課題は、読者の年齢層がどうしても高くなっていってしまうことだ。
連載初期は小中学生だった読者も大学生や社会人になっていく。
しかし、掲載誌はあくまで「少年」サンデーだ。
まあ当時、ジャンプに比べるとちょっと読者の年齢層がやや高いと思われるサンデーではあるが、それでも、読者層が青年誌とバッティングしてしまっては出版社としてもあまり嬉しいことではないだろうし、何より、新しい少年層の読者の取り込みが難しくなってしまう。
大人にはちゃんと青年誌があり、少年誌を卒業して青年誌を読むのが普通だったのではなかったかと思う。

「うる星」は、読者の絶大な支持を得た。
と同時に、読者の年齢層も結果的に引き上げてしまった。
絵柄も等身が高くなり、作風も、高年齢層でも楽しめるものになっていった。
だが、それは「少年」サンデーがターゲットとする読者層とは必ずしも一致しなくなった。
「少年」サンデーが少年誌でい続けるためには、少年向けのマンガが必要だった。
そんな事情もあったのではと推察してしまう。
高橋留美子の次の連載「らんま1/2」では、等身が再び低くなった。
これは、ターゲットの年齢層が低くなったことを表していると思う。

とにかく連載終了となった「うる星」だが、その終わり方はなかなかよかった。
だいたい、1話完結のギャグマンガは終わらせ方が難しいと思う。
しかしこの作品は、実質第1話となったエピソードである「あたるとラムの鬼ごっこ」を最終エピソードとして再度持ってきたことで、うまく締めることができたと思う。
この最後の鬼ごっこは、ギャグ風味はかなり抑えめで、お互いのちょっとしたボタンの掛け違いによる誤解、あたるの意地っ張りぶりなどでとってもハラハラさせられる。

あたるがラムを捕まえた(正確にはあたるの思いを知ったラムが逃げるのをやめてあたるのもとへ戻ってきた)シーンで「ごめんよ、ラム」とあたるに言わせている。
だがこのときあたるの顔は見えない。
あたるはおそらく涙を流しているはずだ。
しかし、それを直接読者に見せてしまっては、これまでのあたるの言動と違和感を感じさせてしまう。
そこで、うまくあたるの顔がみえないようにしているのだと思う。
この最後のエピソードは当時感動したことを覚えている。

「うる星やつら」は少年サンデーという枠にとらわれることなく、マンガ史上に残る名作だ。
「うる星やつら」という作品によってラブコメギャグマンガというジャンルが生まれた(認知された)というと過言だろうか。
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燃焼豚

私は不定期連載の1回目から見た覚えがあります。最初は内容よりも所々で出てくる特撮ネタで笑っていましたが定期連載なるとテンポのいいギャグで笑っていました。うる星やつらは原作は特に乱れもなく進んでいましたが荒れに荒れたのはアニメの方でした。声優が合わない、原作無視の改変、ストック切れのオリジナル連発、問題山積でよく乗り切れたものでした。意外なほど面白かったと原作の人気の高さがあったこその成功ですが。
by 燃焼豚 (2018-07-15 16:13) 

enokorogusa

>燃焼豚さん

今、ちょうどスカパーでアニメを放送しているので久しぶりに見ているんですが、原作の持つテンポのよさがあまり感じられず、ちょっと間延びしてるような感じに思いました。
まだ40話くらいなので、これから面白くなってくるのかもしれません。
by enokorogusa (2018-07-16 13:13) 

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