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ダーティペア第20話『追憶のブルースは殺しのBGM』B あらすじと感想 [ダーティペア]

二人はブルースからメルポット殺しの計画を聞く。
メルポットはブルースの母の敵だった。
明日モノレールで行われるCMロケの最中を襲い、母親と同じように火山に突き落とすとブルース。
プレーヤーで流していたのも母親が弾いていた曲だった。
重度のマザコンだと二人に呆れられるブルースだが、全く意に介さない。
それどころか「邪魔はさせん」と立ち上がり歩き出す。
もちろん手錠でつながれたケイを引きずって。
ユリが「逮捕中の身だから勝手は許さない」と銃を向けるも、
「囚人にもトイレに行く権利はあるだろう」と我が道を行くのみだ。
もちろん嫌がるケイだが力では敵わず、嫌々トイレへと連れ込まれてしまうのだった。
この期に及んでユリも呆れ、トイレから必死に助けを求めるケイの声を聞き流して、一人、別行動へと部屋を出ていくのだった。
「クサい仲同士、仲良くやってね。あたしはお出かけしてきま~す。バイバ~イ」」

モノレールの出発を岩陰から双眼鏡で確認するブルース。
もちろん傍らにはケイ。
「ユリの奴どこ行っちゃったのよ。あたしとこのおじさんを繋ぎっぱなしにして!」

そのユリは、というと、車内販売員に成りすましてモノレールへと潜入していた。
というと聞こえはいいけど、本当の販売員を縛り上げロッカーに閉じ込めての変装だ。
「窮屈な思いさせてごめんなさいねぇ」
やさしく声をかけてるがやってることはヒドイな。
悪者と変わらん。
ちなみにユリの変装は服装だけでなく、メガネをかけて、さらに普段は耳の前に長く一房垂らしている髪を後ろへ流し、耳の前には短く細い髪が一筋だけ。
後年の作品のようだ。
珍しいユリのメガネ姿。
もちろんメガネをかけてもユリは可愛い。
ところが、車内で例の族を見かける。
「なんであいつらがモノレールに?気に入らないな」
発車するモノレール。
ケイの通信機ににっくきユリの声が余裕たっぷりと。
「はぁーいケイ、元気?」
「げぇ!その声は裏切り者のユリ!あたしを男と二人っきりでホテルに残してどこ行ったのよ!この薄情もん!人でなし!」
「カッカしないで。そういうところがあなたの欠点・・・」
「大きなお世話!いまどこ!」
そりゃケイも怒るわな。
「今モノレールに乗ってるのよ。それがね、チンピラの坊やの手下たちが、CM撮りに参加しているの。なあんかにおうわよ、メルポットって男」
「そりゃ確かに変だ」
そこで突然ユリが通信を切る。
例のデュラン・ジュニアがユリに近づいできたのだ。
顔を見られないように作業をするふりで横を向くユリ。
ふと立ち止まるジュニア。
見つかったか?と緊張するユリに対しジュニアの行動はなんと、ユリのお尻にタッチ!
「・・・・!」
いいケツしてんなあと過ぎ去っていくジュニア。
当然カっとなるユリ。
「あのガキ!」
しかしそこはプロ、すかさず盗聴器をジュニアの背中へ。

列車内に設けられた指令室ではメルポットがなんやらよからぬ計画を。
どうやらモノレールがあるポイントを通り過ぎると、火山のそばに設けられた爆弾が爆発し、かのボルケンホテルが溶岩に飲み込まれるという計画があるらしい。
「聞こえた?ケイ」
「バッチシ。殺し屋の手先になる気はなかったけど、チョイ事情が変わったね。これはさ、保険が絡んでるんだろ。あのメルポットって、ただのアイスクリーム屋じゃないもんね」
ブルースが言うにはメルポットは保険会社の大株主らしい。

「保険会社の大株主だったら、事故が起きたらまずいんじゃないの?」
「ピーン!そうよ、その保険会社はホテルの保険会社のライバルなんでしょ」
「なある、そういうことらしいわね。ホテルが火の海になれば、保険会社は大痛手、倒産の憂き目にあうわ」
「ライバルがなくなれば、ミスターメルポットが株を握っている保険会社は、ズーンてところか」
さすが犯罪捜査のトラコン、ラブリーエンジェル。
華やかなコンテストの裏で仕掛けられた凶悪犯罪を暴いていく。
いいねえ、こういうのをちゃんと見せてくれる脚本、演出は。

疾走するモノレール。
ブルースのエアバイクが並走を始める。
そしてブルースは遠慮なくモノレールへ向かって発砲。
それを見たメルポットは族のガキたちに反撃を指示。
ブルースは大胆にもエアバイクをモノレールの車上に着地させると、ケイと共にメルポットのいる車両へ向かって車上を走り出す!
この一連の流れの中で、一瞬、黄色のブーツと滑り落ちるスカートの描写が。
もちろん、ユリが変装を解いて次の行動に移ったことを現している。
一瞬のシーンだけれども、これがないとユリがいつのまにか変装を解いていることになる。
スピード感、緊迫感を失わずに視聴者がそれとわかる丁寧な演出だ。
そしてユリはユリで車内を確認しながらメルポットのもとへと向かう。

メルポットのいる車両を突き止めると、ブルースはその機械化された左腕で車両の天井をめくり上げる!
そしてケイと共に車内へ降りる。
「ラブリーエンジェルのケイ、そして、鎖につながれた狂犬、殺し屋ブルースよ」
自分を殺すと予告してきた人間を目にし動揺を見せるメルポット。
母親の敵とブルース、左腕のガンを向ける。
メルポットは欲しいものは何でもやると命乞いをするが、欲しいのは貴様の命だと取り合わないブルース。
ところが、ここで我らのユリがドジ踏んでジュニアにつかまってしまう。
え~?それはないんじゃない?ユリはそんなできないコじゃないよ~!
ユリを人質にとっている間にメルポットは前方の車両へと逃げて行ってしまう。
ここで一瞬油断したジュニアにユリが反撃、即座にケイがジュニアの銃を撃ち落す!
そしてさらにユリが鞭でジュニアを拘束!
さすがのコンビプレイ。

ユリは拘束したジュニアを車外にぶら下げて起爆装置の場所を聞き出す。
下は溶岩の海、たまらずジュニアは口を割る。
さすがユリ、やることがエグイ。

先頭車両へ逃げ込んだメルポット、後ろの車両を切り離す。
見送るしかないのか・・・と思いきや、何とブルースが手錠を銃でぶちきる!
もちろん、1分以内で爆発することは折り込み済みだ。
驚く二人を残してブルースはエアバイクへと走る!

エアバイクに戻ったブルースは先を行く先頭車両を全速で追いかける。
二人の叫ぶ声を後にして。
そして先頭車両の中へエアバイクごと突っ込んでいくブルース。
しばしの間の後、先頭車両は大爆発、レールもちぎれて溶岩の中へと落ちていく。
そう、ブルースが自らの命を懸けた復讐が成功した瞬間だった。
叫ぶケイ、思わず目を背けるユリ・・・

しかし残された後続の車両はまだ走行中だ。
このままではレールが爆破された地点で溶岩の中へと突っ込んでしまう!
車両の一番前に残された二人。
「まずい、どうしよう・・」
「ブレーキ!」
「ダメだ!破壊されてる」
「後ろの!」
走る二人!
次の車両とのつなぎ目までくると、前方の車両を切り離し、緊急ブレーキを力いっぱい引く!
そのまま走って行った前の車両は溶岩の中へと落ちていく。
後ろの車両はなんとかギリギリで停車。
無事停まってちょっと放心状態の二人だったが、しばしの間をおいて、ブルース、とお互いつぶやく。
そして岩山から火山を見つめる二人、そう、Aパート冒頭のシーンに戻る。
「古臭い男だったけど、あれはあれで、いいオジサンだったよね」

ということで終了~

今回はかなりなシリアス回。
それも、人の死をあまりはっきりと描かないことが多いTVシリーズにあって珍しくブルース(とメルポット他)の死を明確に描いた。
また、開発途上の惑星が舞台、二人が迷惑がられて着陸させてもらえない、情報収集のための飲み屋でいきなりケンカ、など原作をほうふつとさせる設定も合わせて、大人な雰囲気を醸し出している。
族を子ども扱いするところなども、実年齢よりずっと落ち着いて見えて、百戦錬磨、プロの貫録って感じでカッコイイ。
原作でもとても19歳には見えないけど、アニメでも同じように大人びた描写のエピソードが自分は好きだ。
特に今回や、第16話(サクラコ護衛の回)のように、大貫健一作監だと等身が大きく描かれるシーンも多く、話の中身と相まって二人のカッコ良さがさらに増す。
そんな大人っぽい絵と島津冴子のシリアス声との相性がまた最高なのだ。
本文に書いた点以外でも、モノレールから通信でケイに呼びかけるユリの声がまた艶っぽくてよろしい。
そう、今回はケイはブルースと同行せざるを得ないので、その分、ユリの単独行動が描かれているのもよい。
また、ブルースの存在感が大きいところを、うまい脚本・演出でちゃんと二人の活躍が隠れてしまわないようになっている。
最後のシーンを冒頭に一度見せるのもなかなかニクイ演出だ。
これによって、本編が二人の回想だったように思わせる効果がある。
シリアス回ならではの演出だと思う。
まあ、細かい突っ込みどころはあるのだが、総じてとても見ごたえのあるエピソードだと思う。
30分番組としてはなかなかの出来だったのではないだろうか。
前回がアレだったので、今回のいいところが目立ったのかもしれないが。


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コメント 3

燃焼豚

今回の出来は本当に秀逸でした。ブルースの存在自体がきっちりとしたものだから下手したらダーティペアが完全に脇に回りかねない不安がありました。でもまあ出来はよかったし、13話であったクサイ仲をここでケイがやったのは受けたし、そんなケイを尻目に次の行動を取るユリに妙な納得をしてしまった。
by 燃焼豚 (2018-07-08 16:34) 

燃焼豚

また、ブルースの最後におけるダーティペアのブルースの名を呟くシーンとケイの最後の言葉が心に残りました。個人的には恐竜の荷馬車がダーティペアでは一番好きな乗り物なのでOVAシリーズが出たときはラブリーエンゼルが墜落してケイとユリが荷台にムギとナンモを乗せてあの恐竜の荷馬車で珍道中をする話をやってくれたならと思った事があります。("⌒∇⌒")
by 燃焼豚 (2018-07-08 18:06) 

enokorogusa

>燃焼豚さん

自分の中ではTVシリーズで5本の指に入る出来だと勝手に思っています(^^;)
見返した回数もかなり多いですね。
ブルースと繋がるのはやはりケイがお似合い。
相手が若くて二枚目ならユリでもありかな?
ちょっと違うかもしれませんが、終わり方は005便と似ているところがあるかもしれません。
というか、005便はこの回と、次の前後編2話を足したような感じ?
荷馬車に乗る二人、なんか不思議と絵になりますね。

by enokorogusa (2018-07-09 17:47) 

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