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ペリーヌ物語 その3 [ペリーヌ物語]

さて前回の続きになるが、印象的なシーンをまたあげてみたい。

話中、ペリーヌは祖父のビルフランが自分を歓迎しないかもしれないことを
死に際の母の言葉より聞き、オーレリィという偽名を使って祖父の工場で働き始める。

ある日、ビルフランの秘書が急病になり、
同僚の技師ファブリが馭者を探していると聞いたペリーヌは、
旅の経験を活かして馭者を買って出る。
そして無事に病人をパリの病院のもとへ届けたあと、
旧知の商人であるルクリという女性と再会する。
その際にルクリが「オーレリィ」のことを「ペリーヌ」と呼んだ瞬間の、
ファブリの少し戸惑うような表情と、その後の考えこむ描写が、
ファブリには一言も喋らせず、
表情と仕草だけでしっかりと伝わるように描かれているのが素晴らしい。

また、あるシーンでは、親友となったロザリーの祖母フランソワーズが、
初めてペリーヌと出会った瞬間、誰かの顔に似ているが思い出せない、という場面がある。
ちなみにフランソワーズはペリーヌの父エドモンの乳母をしていた。
実はこれが大きな伏線になっていたのが、10数話もあとになって明かされる。

それも、「オーレリィ」がすっかりビルフランに気に入られ、
エドモンの死を知ったビルフランの支えになったような時期に、
フランソワーズがエドモンの顔を思い出し、
「オーレリィ」が幼いころのエドモンにそっくりだとビルフランに話したことによって、
「オーレリィ」が自分の孫ではないかという、今までは考えたこともなかった可能性に気づくのだ。
また、そのときの取り乱し方なども、それまでビルフランが見せたことのないものだ。
この伏線の張り方とその回収の仕方など、すばらしい構成力だ。

まだいくつかあるのだが、今回も長文になってしまったので、
またまた次回にしよう。


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燃焼豚

ペリーヌ物語は本放送を1回見たきりで内容はうろ覚えである。記事を読んでそう言えばあったなとむしろ思い出すだけである。全体的な印象は事件があっても物語に大きな起伏はなく、一人の少女がひたむきに生きて幸せを掴む。それが私の感じたペリーヌ物語です。でも、家なき子の出崎監督がペリーヌ物語を作ったら異様なほどまでにドラマチックになるだろう。見てたら\(◎o◎)/みたいな。
by 燃焼豚 (2017-12-04 18:00) 

enokorogusa

>燃焼豚さん

>一人の少女がひたむきに生きて幸せを掴む
その通りだと思います。
40年近くも前のお話なのによく覚えてらっしゃいますね。すごいです。
当時見ていらしたのがうらやましいです。

ほぼ同じ時期(ペリーヌ物語より2か月早く)日テレ系で「家なき子」を放送してたんですね。
そちらは知らなかったです。
by enokorogusa (2017-12-04 20:05) 

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