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ペリーヌ物語 その4 [ペリーヌ物語]

4回目まで来てしまったペリーヌ物語の話、
今回でようやくクライマックスのシーンに触れることができそうだ。

クライマックスとは、もちろん、「オーレリィ」の秘密が明かされ、
ペリーヌが実の孫だとビルフランが知る場面だ。

ここですごいのは、その明かされ方が、
決してペリーヌが自ら打ち明けるのでもなく、
また、ビルフランが先に知るのでもなく、
第三者によって2人同時に、方や明かされ、方や知る、という、
視聴者にとっても意外な、しかし自然な流れになっているということだ。

重要なシーンなので少し詳しく書くので、ネタバレを嫌う方は読まないほうがいいかもしれない
前回書いたように、「オーレリィ」が自分の孫ではないかと思い始めたビルフランは、
弁護士のフィリップに調査を依頼する。
そして数日後、フィリップがビルフランの屋敷を訪ずれる。
屋敷ではいつものように「オーレリィ」がビルフランに本を読み聞かせていた。

調査の結果を早く聞かせてくれとあせるビルフランに対し、
最後の調査がまだ残っていると伝えるフィリップ。
「オーレリィ」はまさか自分の身元調査をしているとも知らず、部屋の隅でおとなしく座っている。
そしてフィリップはおもむろに立ち上がると「オーレリィ」のもとへ歩み寄る。
「パリでパリカールに会ってきましたよ」
パリカールとは、ペリーヌがパリに着くまで乗っていた家馬車を引いていたロバだ。
突然の話に思わず嬉しげに返事を返す「オーレリィ」。
その反応を見て、我が意を得たりと半ば確信したフィリップはいよいよ決定的な誘導尋問をしかける。
「それと、あの…男のような格好をした女性、 何といったかな…」
「ルクリさん!」

そう、これまで隠しに隠してきた「オーレリィ」がペリーヌだったことを
フィリップは誘導尋問によって見事に解いて見せたのだ。

しかし当の本人たちはまだ気付いていない。
そしてフィリップは最後の調査結果を告げるのだった。
「そうそう、そのルクリさんがよろしくと言ってましたよ。「ペリーヌ」様」

瞬間、ビルフランは動きがかたまり、
ペリーヌはというと、自分の素性が明かされてしまったことで、
戸惑いの表情をみせ、おもわず後ずさりしてしまう。
フィリップは最後の調査が終わり、「オーレリィ」がビルフランの孫であることを
ビルフランに告げる。

そして、戸惑うペリーヌのもとへ近寄ると、
「もう我慢する必要はないんですよ」
と優しくペリーヌの気持ちを押してやる。

こうしてついに「オーレリィ」の正体があかされ、
ペリーヌはビルフランのもとへ駆け寄り、2人は固く抱き合うのだ。

この、「オーレリィ」の正体があかされるやりとりは、
本当に素晴らしいと思う。
第三者であるフィリップにそのセリフを言わせることやその自然さといい、
正体を知られてしまったペリーヌの戸惑いや不安がよく描かれていることといい、
非常に上手い演出だと思う。
何回見ても感動してしまう。

最後にもう一つ、フィリップの調査については、
実は前段階から始まっていて、
ビルフランから依頼を受けたその帰りに、
ペリーヌの飼い犬であるバロンについて、
その名前と、パリでもペリーヌと一緒にいたことを確認するシーンがある。
おそらくパリでの調査の一端になったであろう。

以上のように、この作品のクライマックスである、
ペリーヌの正体ばらしのシーンの素晴らしさが、
この作品を名作だということができるひとつの要素となっているのは間違いないだろう。

さて、これまで4回にもわたって書いてきたペリーヌ物語だが、
いったんここでお別れしたいと思う。
アクセスもほとんどないこのブログだが、
もしひとりでもこの記事を読んで、ペリーヌ物語を見たいと思ってくれたら幸いだ。


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コメント 2

燃焼豚

世界名作劇場は七つの海のティコまでは何となく見ていたのでどの作品も物語の大まかな展開くらいは覚えています。ペリーヌ物語も同じようなものです。ただ、鶴ひろみさんの当時の名前は余りにもインパクトがあったから他の作品よりも少しばかり印象に残ったんだろうと思います。でも、当時の世界名作劇場は高いブランドだから高校生の新人が主役をやるなどとは異例のことだと思う。しかし、その後の活躍を考えればこの抜擢は英断と言っていいだろう。余談だが鶴さんの悲報を惜しむ記事を載せていたアニメ関係のブログはわりとあった。鶴さんはその声で多く人を魅了した証拠である。合掌。




by 燃焼豚 (2017-12-10 16:03) 

enokorogusa

>燃焼豚さん

自分は後からペリーヌ物語がデビュー作だと知ってびっくりしたクチです。
おっしゃるとおり、世界名作劇場というブランドで新人、しかもまだ高校生が主役で声優デビューというのは凄いことだと思います。
何かひかるものを感じたのでしょうが、それでも、英断だったと思います。
by enokorogusa (2017-12-10 19:59) 

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