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懐かしマンガ その5 『県立地球防衛軍』 ※ネタバレ注意 [コミック]

しばらくコミック記事を書いてなかったのでリハビリ的にちょいと軽く書いてみましょうかね。
てなわけで、今回取り上げたのは、真面目に感想を書くのもアホらしい作品(←褒め言葉)。

『県立地球防衛軍』(作/安永航一郎)
 連載『週刊少年サンデー増刊号』1983年5月号~1985年9月号
 (少年サンデーコミックス全4巻)

首都から遠ざかること、何百里・・・ここは、かぎりない発展と豊かな自然が見事に調和した、九州某県。
だが、その平穏な地に、悪の材木商〝木曽屋〟の特務機関〝電柱組〟が暗躍を開始。県政かく乱を宣言した。
思いもよらぬ挑戦に、あわてふためいた県庁は、おおげさにも、今津留高校に〝県立地球防衛軍〟を設立。県の一大危機に真っ向から対抗する。
そして、任務遂行のためなら、命をも惜しまぬ若者が抜てきされた。
かくして、悪と正義・・・いつの世にも存在する二大要素が、今はやりのローカル旋風にのり、大激突!!
   ~第3巻あらすじより

いつものようにあらすじから引用して簡単に説明・・・になっとらんな、これは。

この作品、読んだことの無い人に説明するのがとても難しい。
なにしろ、作者は「真面目に読むのがアホらしい作品を描かせたら天才的(←褒め言葉)」な漫画家、安永航一郎。
この作品は彼の初連載作品だ。
ちなみに暑苦しいマッチョな男を描かせても素晴らしい(笑)。

自分が中学生の頃だったか、おそらく兄が買ったであろう単行本が自宅にあり、なんとなく手に取ったのがこの作品との出会いだ。
読んでみての感想は「くっだらね~、でもなんかクセになる」というような感じだったろうか。

主人公は今津留高校野球部=県立地球防衛軍の高校生、盛田弘章。
その他防衛軍のメンバーは同じ野球部で盛田と同部屋で下宿している武井助久保、同じくマネージャー?の伊福部あき子。
あとはインドからの国費留学生のカーミィ・サンチン。
防衛軍の隊長は一応、野球部顧問の教師、炉縁(ろべり)だが、彼が実際に出動することはほとんどない。

防衛軍の武器は主に盛田の口車と、サンチンのミサイル。
ミサイル?と思われるだろうが、彼は交通事故に遭った際に体を改造されてしまっているのだ。
この辺を説明する時点ですでに相当アホらしい(笑)
基本的にマトモな人間はほとんど出てこない。
防衛軍の紅一点のあき子も、マッチョな男(というか筋肉)が大好きで顔はどーでもよかったりする。
彼女も盛田らのノリにつきあったりしており決してフツーではない。

ヒロインと言えるのは悪の組織の女幹部で実は盛田の高校の後輩であるバラダギこと本名、原滝龍子。
両親はおらず豆腐屋に下宿しており、普段は真面目で成績優秀な高校生だが、生活費を稼ぐために悪の組織「電柱組」でアルバイトしている。

電柱組のアホらしい作戦に対し、これまた防衛軍が盛田のアホらしい口車を主な武器として戦う、という感じだろうか。
電柱組はよく変な怪人をつかったりもするが、この怪人たちもなかなか説明が難しい(笑)
名前をあげると、「正月仮面」「グリコーゲンX」など。
想像できる?

基本一話完結なのだが、どのエピソードも説明するのがやっぱりアホらしい、というか自分には文章にする力がないので、詳しく知りたい方は自分で読んでくれ・・・
ちなみに各回のサブタイトルはウルトラセブンのサブタイトルをパロったものになっている。
例えば第1話「なさけなき挑戦者」はセブンの第1話「姿なき挑戦者」が元だ。

そんなアホらしさ満載のこの作品の中で異色なエピソードなのが、第3巻の第7話「勇気あるお誘い」だ。
ちなみにこのタイトルはセブンの第38話「勇気ある戦い」が元だ。

なりゆきで妹に自分の彼女を会わせることになった盛田(当然本当の彼女などいない)が、バラダギを一日だけのデートに誘う。
不審に思いつつも当日とりあえず出かけるバラダギ。
盛田と妹の言動で、盛田が自分に「彼女のフリ」をしてほしいことを悟ると、盛田に貸しをつくってやるチャンスだと積極的にその話にのる。
まさにラブコメでは定番すぎるパターン。

無事「デート」も終わるかと思ったとき、妹から「恋人らしくない、ギクシャクしてる」というツッコミが。
盛田が言い訳しようとした瞬間、なんとバラダギが盛田にKISS!
もちろんマウストゥマウス。

ビックリしたものの「にかっ!」とする妹。
実は最初から芝居だと知っていた。
オクテの兄貴はこうでもしないと好きな人も誘えないだろう。
原滝さんも兄貴のことキライだったら芝居にのったりしないだろう。
「まさかキスまでするとは思わなかったけど・・・」

盛田の妹の策略にすっかりハマってしまった二人。
今度は二人で、と誘う盛田に、ワリカンならな、とバラダギ。

というわけで、異色の「ラブコメ」エピソードは幕を閉じる・・・のだが、次の話で、会う人会う人に「先月号見たぞ」「ラブコメ男~」などとメタ的にからかわれる。
自分はラブコメ好きなので好きなエピソードだが、作品全体から見るとちょっと浮いてしまっているかもしれない(^^;)

こんなどちらかというとマイナーだと思うこの作品だが、実はOVA化されている。
万人受けはしないが、ハマる人にはハマる作品なのだろう。
当時はOVAというメディアの草創期~定着期だったかと思う。
その作品を好きな人が一定数いれば、それをターゲットに絞った商品をつくってもペイできるという時代になってきたと言えるのか。
ちなみにそのOVAのラストは上記のデートのエピソードだった。

それにしても『県立地球防衛軍』。
タイトルだけではどんな漫画かさっぱりわからん・・・

追記(4月2日)
この記事を書いた後、サンデーうぇぶりでまさにこの作品の続編がちょうど公開されているのを知って読んでみた。
相変わらずアホらしかったが、当時の作品ではあまり出てなかった下品ネタが(笑)
下品ネタはこの作品の後に連載していた『陸軍中野予備校』ではよく使われていた。
ただ、絵柄がもう全く変わってしまって、可愛かったバラダギさんはもういなかった・・・


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コメント 4

middrinn

作者名と作品名は知ってましたし、他のサンデーコミックスの広告ページで
紹介されているカットを見たことがあるだけなんですが、そんなストーリー
だったんですね( ̄◇ ̄;) 今見ても画のタッチが当時の感じがします(^_^;)

by middrinn (2019-04-01 17:07) 

enokorogusa

「そんなストーリー」というほどストーリーがあるのか?という・・・
真面目にストーリーを紹介しようと思えば思うほどアホらしくなるので断念(^^;)
安永航一郎、女の子はちゃんと可愛く描けるのが、彼のいいところ。

by enokorogusa (2019-04-01 18:20) 

燃焼豚

これははまったな。盛田は名ばかりの主人公、助久保は名実ともに脇役、本当にそうだからすごい。OVAとイメージアルバムも買った。名曲「マッスル日本」は作業用Bgmとして聞いていました。
by 燃焼豚 (2019-04-23 19:15) 

enokorogusa

OVAだけでなくイメージアルバムもお持ちでしたか。
それはすごい。
自分はOVAは友人宅で見て、アルバムの存在は知りませんでした。
燃焼豚さんにとってはこの拙い記事では歯がゆいのでは(^^;)
by enokorogusa (2019-04-24 19:42) 

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