スキージャンプW杯2018/19 プラニツァ大会 3月24日 陵侑が有終の美 [スキージャンプ]
さあ、泣いても笑ってもこれが今季最終戦。
3月24日
スロベニア プラニツァ大会(HS240)
W杯個人第29戦(うち第6戦は中止)
優勝 464.9点 小林陵侑(土屋ホーム)
2位 444.0点 ドメン・プレフツ(スロベニア)
3位 442.5点 アイゼンビヒラー(ドイツ)
14位 400.3点 佐藤幸椰(雪印メグミルク)
15位 399.4点 小林潤志郎(雪印メグミルク)
21位 370.8点 伊東大貴(雪印メグミルク)
最終戦は予選は行われず、個人総合の上位30名が出場できることになっている。
日本は4名が出場。
陵侑以外もなかなかいいジャンプを見せてくれた。
この日も穏やかな天候。
木曜の予選は強めの向かい風で、陵侑が一番下のゲートで飛んでも248mとヒルサイズを大きく超えるジャンプ。
これ以上風が強くなると危険だったが、金曜以降は向かい風も弱まって、ゲートが足りないということもなく、試合運営もほぼ順調に行われた。
始まった最終戦1本目。
16番スタートのガイガー(ドイツ)が10番ゲートから238.5m(216.1点)のビッグジャンプ。
それを23番スタートのドメンが9番ゲートから239.5m(227.3点)まで伸ばし首位に立つ。
しかも飛型点が19.5点×3人の高得点。
28番スタートのズィワ(ポーランド)がさらに距離を伸ばしてなんと248m。
しかし着地が決まらず224.1点でドメンの下。
そしていよいよ陵侑、そして最後のアイゼンビヒラーの登場。
フライング個人総合とプラニツァ7の争いだ。
現在フライング総合2位の陵侑が先に飛ぶ。
ここはぜひビッグジャンプでアイゼンビヒラーにプレッシャーを与えたいところ。
ここでゲートをがもう一段下がって陵侑がスタート。
いつものように高いジャンプ、と思ったら、ランディングバーンが全然近づいてこない。
K点付近でもはるか上空を飛んでいく。
どこまでいくの?ちょっとやばいんじゃない?と思うくらい。
テレビカメラの位置からはほとんど平地に見えるくらいの場所まで飛んででようやく着地。
さすがにテレマークは入れられなかったが、どんだけ飛んだの?と思ったら、なんと252m!
W杯ヒルレコードだ!
もちろんトップ(239.5点)。
このジャンプは次に飛ぶアイゼンビヒラーに十分にプレッシャーを与えることができるものだ。
だからかどうかわからないが、アイゼンビヒラーは、陵侑と比較すると明らかに低いジャンプ。
距離が伸びず227m(216.4点)で4位。
これでかなり陵侑が有利になった。
しかし、まだわからない。
陵侑も22日の個人戦では220mの失敗ジャンプもあった。
そして2本目、どの選手にとっても今季最後のジャンプ。
気持ちよく終わりたいのはどの選手も同じ。
優勝争いまでいかなくても、納得のいくジャンプをしたい。
2本目も順調に試合が進んでいく。
2本目を飛び終わった選手たちはもうリラックスムード。
気温も暖かめなようで、ジャンプスーツを脱いでいる選手も。
長い戦いから解放されて、「いや~終わった終わった」てな感じ。
そして最後から4人目、アイゼンビヒラー。
少しでも遠くまで飛んでおきたいところ。
今度は見事に235m(226.1点、合計442.5点)のビッグジャンプ。
飛型点も高い。
とにもかくにもこの時点でトップに立ち、プラニツァ7は厳しいが、フライング総合は可能性を残す。
その後、1本目2位のドメンに抜かれこの時点で2位になるが、フライング総合は単純に陵侑との順位関係だけで決まるので、まだまだ希望は残っている。
そして今季W杯の最終ジャンパー、陵侑がスタート。
1本目ほどまでは行かないが、230.5m(225.4点、合計464.9点)、飛型点も高く優勝には十分なジャンプ。
フライング総合とプラニツァ7の優勝も確定させた見事な勝利で有終の美を飾った。
フライング総合
1位 407点 小林陵侑
2位 371点 アイゼンビヒラー
3位 289点 ズィワ
プラニツァ7
1位 1601.3点 小林陵侑
2位 1572.1点 アイゼンビヒラー
3位 1513.5点 ザイツ(スロベニア)
この試合を見ていて気持ちいいシーンがあった。
最後の陵侑が飛んで優勝(フライング総合、プラニツァ7も)を決めて降りてきたところに、アイゼンビヒラーが真っ先に出てきて陵侑を祝ってくれたのだ。
今季ジャンプ週間で陵侑に僅差で敗れて2位になったのをはじめ、リーダーズボードに立っては、最後に陵侑に敗れる、という試合が何度もあったアイゼンビヒラー。
ある意味、今季陵侑のいちばんのライバルと言ってもいい存在だったが、最後も陵侑に敗れてしまった。
それでも、そんな悔しさを表に出すこともなく、さわやかな笑顔で今日も陵侑の勝利を称えていた。
まさにナイスガイ、グッドルーザー、かっこよかったよ、アイゼンビヒラー。
試合終了後の表彰式。
この日は最終戦ということで、表彰式がいっぱい。
まずはこの日の試合の表彰式。
続いてプラニツァ7。
さらにフライング個人総合。
ちなみにフライング個人総合優勝もクリスタルグローブだ。
そしていよいよW杯総合優勝の表彰式。
3位の昨季王者のストッフ(ポーランド)、2位の一昨季王者のクラフト(オーストリア)を両脇に従えて、一番高いところに陵侑が登る。
W杯総合優勝の証、クリスタルグローブがついに陵侑の手に。
もちろん日本選手で初めてで、ヨーロッパ以外の選手が初めて手にした瞬間でもあった。
最後はネイションズカップの表彰。
今季はポーランドが優勝。
コーチやスタッフなど関係者みんなで登壇。
来季は日本チームがここに立ってほしいな。
長年スキージャンプを見てきて、日本選手の応援もしてきたが、正直、日本選手のW杯総合優勝が見られるとはなかなか信じられなかった。
あれだけ強かった葛西紀明(土屋ホーム)や船木和喜(FIT Ski)でも届かなかった高い壁。
それが、昨季まで表彰台すら1度も無かった22歳の若者が見事にその壁を破った。
突然すぎてなかなか実感が湧いてこない・・・
今季の陵侑の活躍についてはまたあらためて記事にしたいと思う。
とにかく今は・・・小林陵侑選手、おめでとう!
3月24日
スロベニア プラニツァ大会(HS240)
W杯個人第29戦(うち第6戦は中止)
優勝 464.9点 小林陵侑(土屋ホーム)
2位 444.0点 ドメン・プレフツ(スロベニア)
3位 442.5点 アイゼンビヒラー(ドイツ)
14位 400.3点 佐藤幸椰(雪印メグミルク)
15位 399.4点 小林潤志郎(雪印メグミルク)
21位 370.8点 伊東大貴(雪印メグミルク)
最終戦は予選は行われず、個人総合の上位30名が出場できることになっている。
日本は4名が出場。
陵侑以外もなかなかいいジャンプを見せてくれた。
この日も穏やかな天候。
木曜の予選は強めの向かい風で、陵侑が一番下のゲートで飛んでも248mとヒルサイズを大きく超えるジャンプ。
これ以上風が強くなると危険だったが、金曜以降は向かい風も弱まって、ゲートが足りないということもなく、試合運営もほぼ順調に行われた。
始まった最終戦1本目。
16番スタートのガイガー(ドイツ)が10番ゲートから238.5m(216.1点)のビッグジャンプ。
それを23番スタートのドメンが9番ゲートから239.5m(227.3点)まで伸ばし首位に立つ。
しかも飛型点が19.5点×3人の高得点。
28番スタートのズィワ(ポーランド)がさらに距離を伸ばしてなんと248m。
しかし着地が決まらず224.1点でドメンの下。
そしていよいよ陵侑、そして最後のアイゼンビヒラーの登場。
フライング個人総合とプラニツァ7の争いだ。
現在フライング総合2位の陵侑が先に飛ぶ。
ここはぜひビッグジャンプでアイゼンビヒラーにプレッシャーを与えたいところ。
ここでゲートをがもう一段下がって陵侑がスタート。
いつものように高いジャンプ、と思ったら、ランディングバーンが全然近づいてこない。
K点付近でもはるか上空を飛んでいく。
どこまでいくの?ちょっとやばいんじゃない?と思うくらい。
テレビカメラの位置からはほとんど平地に見えるくらいの場所まで飛んででようやく着地。
さすがにテレマークは入れられなかったが、どんだけ飛んだの?と思ったら、なんと252m!
W杯ヒルレコードだ!
もちろんトップ(239.5点)。
このジャンプは次に飛ぶアイゼンビヒラーに十分にプレッシャーを与えることができるものだ。
だからかどうかわからないが、アイゼンビヒラーは、陵侑と比較すると明らかに低いジャンプ。
距離が伸びず227m(216.4点)で4位。
これでかなり陵侑が有利になった。
しかし、まだわからない。
陵侑も22日の個人戦では220mの失敗ジャンプもあった。
そして2本目、どの選手にとっても今季最後のジャンプ。
気持ちよく終わりたいのはどの選手も同じ。
優勝争いまでいかなくても、納得のいくジャンプをしたい。
2本目も順調に試合が進んでいく。
2本目を飛び終わった選手たちはもうリラックスムード。
気温も暖かめなようで、ジャンプスーツを脱いでいる選手も。
長い戦いから解放されて、「いや~終わった終わった」てな感じ。
そして最後から4人目、アイゼンビヒラー。
少しでも遠くまで飛んでおきたいところ。
今度は見事に235m(226.1点、合計442.5点)のビッグジャンプ。
飛型点も高い。
とにもかくにもこの時点でトップに立ち、プラニツァ7は厳しいが、フライング総合は可能性を残す。
その後、1本目2位のドメンに抜かれこの時点で2位になるが、フライング総合は単純に陵侑との順位関係だけで決まるので、まだまだ希望は残っている。
そして今季W杯の最終ジャンパー、陵侑がスタート。
1本目ほどまでは行かないが、230.5m(225.4点、合計464.9点)、飛型点も高く優勝には十分なジャンプ。
フライング総合とプラニツァ7の優勝も確定させた見事な勝利で有終の美を飾った。
フライング総合
1位 407点 小林陵侑
2位 371点 アイゼンビヒラー
3位 289点 ズィワ
プラニツァ7
1位 1601.3点 小林陵侑
2位 1572.1点 アイゼンビヒラー
3位 1513.5点 ザイツ(スロベニア)
この試合を見ていて気持ちいいシーンがあった。
最後の陵侑が飛んで優勝(フライング総合、プラニツァ7も)を決めて降りてきたところに、アイゼンビヒラーが真っ先に出てきて陵侑を祝ってくれたのだ。
今季ジャンプ週間で陵侑に僅差で敗れて2位になったのをはじめ、リーダーズボードに立っては、最後に陵侑に敗れる、という試合が何度もあったアイゼンビヒラー。
ある意味、今季陵侑のいちばんのライバルと言ってもいい存在だったが、最後も陵侑に敗れてしまった。
それでも、そんな悔しさを表に出すこともなく、さわやかな笑顔で今日も陵侑の勝利を称えていた。
まさにナイスガイ、グッドルーザー、かっこよかったよ、アイゼンビヒラー。
試合終了後の表彰式。
この日は最終戦ということで、表彰式がいっぱい。
まずはこの日の試合の表彰式。
続いてプラニツァ7。
さらにフライング個人総合。
ちなみにフライング個人総合優勝もクリスタルグローブだ。
そしていよいよW杯総合優勝の表彰式。
3位の昨季王者のストッフ(ポーランド)、2位の一昨季王者のクラフト(オーストリア)を両脇に従えて、一番高いところに陵侑が登る。
W杯総合優勝の証、クリスタルグローブがついに陵侑の手に。
もちろん日本選手で初めてで、ヨーロッパ以外の選手が初めて手にした瞬間でもあった。
最後はネイションズカップの表彰。
今季はポーランドが優勝。
コーチやスタッフなど関係者みんなで登壇。
来季は日本チームがここに立ってほしいな。
長年スキージャンプを見てきて、日本選手の応援もしてきたが、正直、日本選手のW杯総合優勝が見られるとはなかなか信じられなかった。
あれだけ強かった葛西紀明(土屋ホーム)や船木和喜(FIT Ski)でも届かなかった高い壁。
それが、昨季まで表彰台すら1度も無かった22歳の若者が見事にその壁を破った。
突然すぎてなかなか実感が湧いてこない・・・
今季の陵侑の活躍についてはまたあらためて記事にしたいと思う。
とにかく今は・・・小林陵侑選手、おめでとう!
2019-03-25 19:42
nice!(2)
コメント(4)
スポーツマンシップ(死語)、美しいですねぇ(〃'∇'〃)
それだけの快挙となると、専門誌の特集号あるいはNHK
とかで密着ドキュメントと称した特集番組ありそう(^^)
by middrinn (2019-03-25 22:14)
JSPORTSでは特番決まっているんですが、地上波、せめてBSででもNHKなんかでやってくれると嬉しいですね。
あとはやっぱり『Number』誌に期待。
by enokorogusa (2019-03-26 17:55)
これに関しては新聞記事も一般ニュースも大きく取り上げていました。正しく日本のエースが頂点を掴み、有終の美を飾ったんですから。遅れながら小林選手本当におめでとうございます。
by 燃焼豚 (2019-04-08 18:00)
シーズン中盤、一時疲れがあったようですが、最後まで勝ち続けたのですから、本当に素晴らしいシーズンでした。
日本勢初の快挙ですから、スキージャンプ史上に残る選手になりました。
by enokorogusa (2019-04-08 20:00)