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ファミリーサーキット 取捨選択と割り切りの成功 [ゲーム]

さて、このブログでゲームの話題を取り上げるのは初めてだが、
今回は「ファミリーサーキット」についてちょっと書いてみよう。

ファミリーサーキットは1988年に当時のナムコから発売された、
ファミコン用のゲームソフトだ。
1988年と言えば、鈴鹿サーキットでF1GPが開催されて2年目、
世間一般にF1ブームが起きて、特にアイルトン・セナが大人気だった頃だ。
ちなみに自分はセナでもアラン・プロストでもなく、ゲルハルト・ベルガーが好きだった。

で、自分はそのファミリーサーキットが大好きだった。
ファミリーサーキットはレースゲームとしては画期的な特徴を持っていた。

まず、画面は上下スクロールで、結構な速さで上から下へと流れていく。
そして、上下スクロールでは不可能なはずなのに実際のサーキットの特徴をうまく表現している。
考えてみればわかるが、上下スクロールだと、絶対に周回コースを再現することはできない。
どこかで下向きに走らないと元の場所には戻れない。
しかしファミリーサーキットは、斜めに走ることはあっても、下向きに走ることはない。
それなのに、このコーナーはあのサーキットのあのコーナーだ、
と思わせるように作られている。

そのサーキットの一番特徴のあるコーナーをできるだけ再現できるように、
一部のコーナーを犠牲にしているのだが、それを差し引いても、コースレイアウトを再現しているように思える、その割り切りが素晴らしい。
しかも、それらのコーナーをより速く走るには、
「スローイン・ファーストアウト」「アウト・イン・アウト」といった、
聞きかじったテクニックが必要なのだ。
ちょっとコアなF1ファンにはそれがとても嬉しいのだ。

特に秀逸なのが鈴鹿サーキットで、バックストレート>130R>シケインの部分など、
本物のサーキットのようで、
アクセルボタンを押しっぱなしで、微妙なハンドリングで130Rを抜けたかと思うと、
一瞬の間をおいて出てくるシケインに急減速して飛び込んで行く。
この最高速から一気に減速する感じなどが本当にサーキットを走っているようにできている。

そして、このゲーム最大の特徴は、「他車との当たり判定がない」ことだろう。
レースには、ノンプレイヤー車が同時に走っているのだが、
それらの車とは、重なろうが何しようが、全く構わないのである。
普通のレースゲームではまず考えられない。
しかし、その代わりに得られたのが、爽快なスピード感である。

当たり判定のあるゲームでは、自分の好きなラインを走れないことも多い。
そのことにより、どうしても爽快な疾走感を得られない。
それをこのゲームでは当たり判定をなくすということで、
サーキットを攻めつつ、他車とも競り合いながらレースをすることができるようになった。
そして何よりも爽快なスピード感を得られるようになった。

そう、このゲームでは現実のレースを忠実に再現するのではなく、
必要なものと不必要なものを見事に取捨選択をして、
中途半端なゲームでは得られないレース「感」、スピード「感」を大事にしているのだ。

他にも、レースファンには嬉しい小技が効いているのもいい。
タイヤ交換のためにピットインすると、ドット絵のかわいいピットクルーが、
ちゃんとタイヤを交換するのが見られるし、
フロントウイングを傷つけていると、これもちゃんと交換する。
エンジンの調子が悪い時は、カウルを開けてイジっているような動きもするのだ。

一番難しいクラス(F1を模したもの)は全16戦あり、
F1のようにポイント制で総合優勝するとエンドロールが流れるのだが、
その中に、開発スタッフが記録したと思われる、各サーキットの最速ラップタイムが出てくる。
自分は、鈴鹿サーキットでその記録を上回った。
…て、どんだけやり込んだんだかf^_^;
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コメント 4

燃焼豚

初期ビデオゲームの頃からレースゲームはありました。あまりレースゲームはやりませんがラリーXははまりました。ファミリーサーキットはファミコン番組で紹介されたの見たのをうろ覚え程度ですがファミコンの性能の限界に挑戦するような出来のいいグラフィックでした。
by 燃焼豚 (2018-01-08 13:34) 

enokorogusa

>燃焼豚さん

ラリーX、懐かしいですね。
ファミリーサーキットは超高速のスクロールや、画面に同時に3~4台以上映ると他マシンの表示が点滅気味になる(でもゲームには支障がない)など、攻めるところと守るところを割り切ったのがいい結果につながったと思います。
隠れた名作だと思っています。
by enokorogusa (2018-01-08 20:37) 

燃焼豚

記事を読んでいてだからどうしたと言うわけではないがゲルハルト・ベルガーの名前を見ると名前の響きがいいのでレースアニメだと絶対にライバルでありそうな名前だといつも思ってしまう。
by 燃焼豚 (2018-01-09 16:58) 

enokorogusa

>燃焼豚さん

ベルガー、カッコイイ名前ですよね。
実際当時はフェラーリに乗っていて、ホンダエンジンを積むマシンのライバルでしたね。
フェラーリのマシンそのものも、濃いめの真紅一色で形もシンプルでカッコイイ車でした。
by enokorogusa (2018-01-09 19:44) 

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