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スキージャンプW杯2018/19 ガルミッシュ・パルテンキルヘン大会 1月1日 ジャンプ週間第2戦 [スキージャンプ]

さて、すでにジャンプ週間第3戦は日本時間で昨夜終わっているのだが、このブログは引き続き第2戦を振り返る。

小林陵侑の優勝で幕を開けたジャンプ週間、会場を移しての第2戦。

1月1日
ガルミッシュ・パルテンキルヘン(HS142)
W杯個人第10戦(ジャンプ週間第2戦)

優勝 小林陵侑(土屋ホーム)
2位 アイゼンビヒラー(ドイツ)
3位 クバツキ(ポーランド)

5位 小林潤志郎(雪印メグミルク)
12位 伊東大貴(雪印メグミルク)
17位 佐藤幸椰(雪印メグミルク)
26位 中村直幹(東海大学)
32位 葛西紀明(土屋ホーム)

陵侑が見事にジャンプ週間2連勝、W杯としては3連勝、通算6勝目で、1シーズン日本勢最多記録タイに。
これまでの記録は先の記事にあるとおり葛西が記録している。
この時点で並んだので、最多勝記録更新は確実な勢いだ。
今回も予選は2位。
しかし飛距離は予選1位のクバツキに4.5mの差をつけて最長。
やはり着地の安定感がもう少しほしいところ。

今回は予選から波乱含み。
W杯総合優勝&ジャンプ週間総合優勝経験者ペテルと今季好調ドメンのプレフツ兄弟(スロベニア)が揃って予選落ち。
ペテルは今シーズン調子は良くなかったのは確かだが、予選落ちになるとは。
ドメンは着地後の転倒でアウト。

さらに1本目でも大きな波乱。
第1戦3位のクラフト(オーストリア)がなんと49位に沈んだ。
踏切の直後に風に煽られてどうしようもなかった。
クラフトほどの実力者でもこういうことがある。
スキージャンプの怖いところだ。
せっかく第1戦で3位に入り、調子が戻ってきたどころかジャンプ週間総合優勝も視程に入ったかと思ったところでのこの結果。
ジャンプ週間の総合優勝争いもこれでジ・エンド。

他にもフロイント(ドイツ)、タンデ(ノルウェー)、ヴェリンガー(ドイツ)といった実力者が2本目に進めず。

特にウェリンガーはピョンチャン五輪ノーマルヒルの金メダリストで、ここ数年常に表彰台争いをするような選手なのだが、なんと2戦連続で2本目に進めなかった。
また、日本勢では、葛西と伊東が1本目で直接対決。
伊東がいいジャンプで勝利したが、葛西もそれほど悪くなく、ラッキールーザーでの2本目進出の可能性も十分あったが、惜しくも32位で進めなかった。
1本目25位のゾグラフスキー(ブルガリア)よりも点数が高かっただけに、不運だった。
これがノックアウト方式の難しいところ。

1本目が終わって陵侑が1位、2位に前日2位のアイゼンビヒラー、3位に予選トップのクバツキと、調子のいい3人が上位に顔を揃えた。
また潤志郎も4位といい位置。

迎えた2本目。
1本目16位といつになく低かったストッフ(ポーランド)が134mでトップに立つと、これを上回る選手がなかなか出てこない。
ようやく1本目5位のコウデルカ(チェコ)がストッフを上回る。
コウデルカ、今年は久々にかなり好調だ。
次いで潤志郎は惜しくもコウデルカを上回れずこの時点で2位。

残すは上位3人。
まずはクバツキがいいジャンプを見せてトップ。
しかしすぐにアイゼンビヒラーがトップを奪い、最後の陵侑を待つ。
第1戦と同じ構図だ。
陵侑は不利な追い風の中だったが、見事なジャンプを見せ、第1戦に続き優勝。
しかし、第1戦の0.4点差よりは大きいがそれでも1.9点差の僅差だった。

また、今回は日本勢が頑張った。
優勝した陵侑以外でも、兄の潤志郎が5位と今季最高位。
また、20位以内に伊東、佐藤が入り、中村も2本目に進んだ。
20位以内に4人というのは久しぶりではないだろうか。

さて、第2戦終了時点のジャンプ週間総合得点は以下の通り。

1位 548.9点 小林陵侑
2位 546.6点 アイゼンビヒラー
3位 526.0点 クバツキ

陵侑とアイゼンビヒラーの差はわずかに2.3点、飛距離に換算して1.5mもない。
アイゼンビヒラーとクバツキの差は20点とやや離れた。
今の調子を考えると、総合優勝争いは陵侑とアイゼンビヒラーの一騎打ちか。
ジャンプ一本で簡単にひっくり返る僅差だ。
押しも押されもせぬ優勝候補大本命として乗り込んできた陵侑に対し、アイゼンビヒラーはこの大会に入って突然覚醒したかのような大活躍。

4つのジャンプ台を転戦するこのジャンプ週間、短いようで長く、長いようで短い。
過去にも、優勝候補が波乱もなく制したこともあれば、それまで実績らしい実績もなく突然と現れた選手があっという間に優勝をさらっていったこともある。

後者の例で思い出すのは2013/14シーズンのディートハルト(オーストリア)だ。
W杯初表彰台がジャンプ週間第1戦の3位、初優勝が第2戦。
第4戦で2勝目を挙げて見事にジャンプ週間の総合優勝を勝ち取った。
ところがそれがそれ以降、W杯で優勝はおろか表彰台に立つこともなかった。
結局、キャリアの勝利、表彰台のすべてがこのシーズンのジャンプ週間のみ、というまさに彗星のごとく現れて消えていった選手だった。
あ、いわゆる普通の彗星だとまた帰ってくるので、正確には双曲線軌道の非周期彗星というべきか(^^;)

冗談はともかく、今季のアイゼンビヒラーは、このディートハルトのパターンに似ている。
もっとも、ディートハルトに比べたらアイゼンビヒラーの実績の方がずっと上回っているので、比べるのは失礼かもしれない。
とはいえ、優勝実績がないのは同じ。
競技人生で最高の時期がピンポイントでこのジャンプ週間に来ているような感じだ。
得てしてこういう選手はノリノリでプレッシャーもなく勢いに乗ってしまうこともある。
ジャンプ週間残り2戦、アイゼンビヒラーは要注意だ。

だだ、それを言えば陵侑も今季突然現れたと言えなくもないが、今季のここまでの活躍で「優勝候補」としてのプレッシャーが彼にはかかってくる。
ここ数戦、2本目に大ジャンプが出ていないのも、そのせいかもしれない。
何とかプレッシャーを克服して優勝を目指してほしい。

ジャンプ週間も半分が過ぎ、残るはオーストリアラウンドの2戦。
まずはインスブルックだ。
今の陵侑の実力なら普通に飛べばほぼ間違いなく勝てる。
プレッシャーを自信に替えて、ぜひ頑張ってほしい。


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燃焼豚

テレビのスポーツニュースですが、小林選手の特集に時間をかけてやっていました。
by 燃焼豚 (2019-01-07 21:02) 

enokorogusa

それは嬉しいことですね(^^)
これからはぜひ、国内大会などももっと取り上げてくれるといいのですが。
卓球やバドミントンなどはいい前例だと思います。
取材される側も、いい意味で作戦を練って、どんどん情報を発信してほしいです。
by enokorogusa (2019-01-07 21:43) 

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