世界中で感染拡大が止まらない新型コロナウイルス。
各国でスポーツイベントが次々と中止に。
スキージャンプW杯も、無観客で行うなど対処してきたが、結局トロンハイムで行われた3月11日の個人予選を最後に、その後の試合は全て中止。
残念ながら今季はこれで終了となった。
スロベニアのプラニツァで3月19日~22日に開催予定だったスキーフライング世界選手権も中止。
スキーフライング世界選手権は2年に1度の開催なのだが、今回は来季へ延期、ということになった。
保健衛生だけでなく、各国経済にも大きなダメージを受けている。
スポーツ云々というだけでは済まない状況になってしまった。
スキージャンプに限らず、スポーツ観戦が趣味の自分としては非常に残念だが、さすがにこればかりは仕方ない。
感染してしまった方々、発症してしまった方々が少しでも早く快復できるよう願う。
また、治療法、予防法の確立で、早く終息へ向かってほしいものである。
もちろん他人事ではないので、自分も平時以上に手洗い等注意しているが・・・
スキージャンプの選手、スタッフ達も、試合どころか、帰国することすら難しい状況だったようだ。
ノルウェー~ポーランド間の通常航空便が全て欠航となってしまい、ポーランドチームは帰る術を失っていた。
大統領からチームマネージャーのアダム・マリシュへ直接電話連絡があり、ポーランド政府専用機でようやく帰国できたという。
RAW AIRも途中で終了。
一応この時点での順位を載せておく。
RAW AIR 総合ランキング
1位 1161.9点 ストッフ(ポーランド)
2位 1154.5点 小林陵侑(土屋ホーム)
3位 1154.3点 リンヴィーク(ノルウェー)
4位 1151.9点 イェラル(スロベニア)
5位 1149.0点 ライエ(ドイツ)
6位 1140.6点 ヨハンソン(ノルウェー)
7位 1133.8点 ペテル・プレフツ(スロベニア)
8位 1131.8点 クラフト(オーストリア)
9位 1109.8点 ザイツ(スロベニア)
10位 1098.6点 佐藤幸椰(雪印メグミルク)
ストッフが首位を堅持。
11日の予選でトップだった陵侑が一気に2位へ上昇。
運がなかったのはライエだ。
1人だけヒルサイズ越えのジャンプをしたのだが着地に失敗、転倒。
左膝の前十字靱帯(ACL)断裂と半月板損傷の大けがをしてしまった。
今季は自身初のW杯勝利を地元ヴィリンゲンで飾るなと、選手生活で最高のシーズンを送っていた。
しかも本戦が中止になったので結果として必要なかった予選でのケガ。
来季に予定されているオーベルシュトドルフ(ドイツ)での世界選手権を目指しての治療・リハビリに専念するということだ。
W杯総合得点ランキング
1位 1659点 クラフト
2位 1519点 ガイガー
3位 1178点 小林陵侑
4位 1169点 クバツキ
5位 1031点 ストッフ
6位 917点 ライエ
7位 906点 リンヴィーク
8位 789点 ペテル・プレフツ
9位 721点 タンデ
10位 622点 アッシェンヴァルト
前戦リレハンメル大会終了時の順位がそのまま今季の最終結果となった。
総合優勝はクラフト。
2016/17シーズン以来3季振り2度目の総合優勝。
今季は11人もの勝者が生まれる激戦の中、優勝5回は最多、2位にも8度入るなど、安定感が抜群だった。
2位はガイガー。
昨年の10位を大きく更新する自己最高順位だ。
クラフトに最後まで食らいついての素晴らしいシーズンだった。
3位は小林陵侑
3勝を含む8度の表彰台。
昨季が凄すぎたので比較するとついつい物足りない感じがしてしまうが、今季の結果も決して悪くない。
どころか、間違いなくW杯の主役の1人として存在感はとても大きかった。
総合3位以上2度というのは、日本勢では過去に船木和喜、葛西紀明しか残していない記録だ。
通算16勝も船木の15勝を超え、葛西の17勝にあと1勝と迫っている。
4位のクバツキは、ジャンプ週間総合優勝というビッグタイトルを手にした。
昨季まではトップに立つにはもう一歩、という感があったのだが、今季は3勝、10度の表彰台と30歳にして自身最高の結果を残した。
5位のストッフはさすが地力を持っている。
総合優勝争いに絡むことはなかったが、堅実な結果を残した。
6位のライエは先述したとおり。
7位のリンヴィークは今季急成長。
ジャンプ週間で2勝して大ブレイクすると、その後も上位争いを続けた。
来季はどうか。
8位のペテル・プレフツは久しぶりの勝利をあげ、ケガからの復活をアピールした。
9位のタンデは開幕2連勝したが、3戦目で他選手の板が足首に当たり負傷。
それがひびいたかその後はやや苦しんだが、時折上位に顔を出した。
10位のアッシェンヴァルトは前半戦で自身初を含む2度の表彰台。中後半はやや振わなかった。
その他では、7季振りに勝利を挙げたズィワ、初勝利を含む2勝を挙げた佐藤幸椰が頑張った。
若手ではラニセク(スロベニア)、シュミット(ドイツ)といったところが自身初の表彰台に上がるなど奮闘した。
日本勢では、上記の2人以外ではベテラン伊東大貴(雪印メグミルク))、陵侑の兄潤志郎(雪印メグミルク)といった実績を持つ選手とともに、佐藤慧一(雪印メグミルク)が時折光るジャンプを見せた。
一方で葛西紀明は苦しんだシーズンとなった。
来季も楽しみに待つこととしよう。
というわけで、スキージャンプW杯の記事も今季はこれで最後かな?
お付き合いいただいたみなさん、ありがとうごさいます。
もし今後も他の記事にお付き合いいただければ幸いです。