スキージャンプW杯2019/20 個人第２戦 ルカ大会 11月30日

フィンランドに舞台を移しての第２週

11月30日
フィンランド　ルカ大会（HS142）
W杯個人第２戦

優勝　282.5点　タンデ（ノルウェー）
２位　273.3点　アッシェンヴァルト（オーストリア）
３位　272.4点　ラニセク（スロベニア）

６位　267.3点　小林陵侑（土屋ホーム）
17位　236.4点　小林潤志郎（雪印メグミルク）

32位　103.5点　佐藤幸椰（雪印メグミルク）
35位　 99.0点　伊東大貴（雪印メグミルク）
43位　 79.1点　中村直幹（東海大学札幌スキークラブ）

開幕戦は好調だった日本勢だが、この日は小林兄弟がなんとか踏みとどまったものの、他の選手には厳しい結果となった。
佐藤、伊東、中村と、３人とも１本目30位以内に入れず。
小林兄弟も、それぞれ開幕戦よりは順位を下げてしまった。
中村以外の４人は予選では上位につけていただけに、悔しいところだろう。
我らが葛西紀明（土屋ホーム）は今週も予選不通過。
トレーニングでは予選通過順位である50位以内に入っている場合もあるので、残念だった。

ここ、ルカは北極圏を目の前にした極寒の地。
さすがに雪はたっぷりと降り積もり、雪のコンディションは最高。
この週末は、ジャンプ男子W杯の他にも、ノルディック複合、クロスカントリーの両W杯の開幕シリーズも開かれており、ノルディックスキーの一大イベントとなっている。
その中でも、土日の夜に開催されるジャンプはイベントの中心競技だ。

ただ、この日は先週に続き風が安定しない難しいコンディション。
さらに、スーツ規定違反者がなんと５人も出るというハプニング。
開幕して間がなく、各選手新しいスーツを着用しているので、厳しく検査されたのかもしれない。

しかも、その５人の面子が、ヨハンソン、フォーファン、リンビーク（いずれもノルウェー）、ペテル・プレフツ、セメニッツ（いずれもスロベニア）と、実力者が何人も含まれている。
特にプレフツは２本目を飛び終わって一時は３位が決まったと思われただけにびっくりした。
ヨハンソンとフォーファンはスーツの通気性がルールを満たさなかったようだ。
おそらく他の３人も同じだろうと思う。

そんな状況の中、１本目７位につけたタンデが、２本目にヒルサイズの142ｍを飛んで首位に立つと、それを越える選手が現れず、初戦に続き２連勝、通算７勝目。
前回の記事で今年は抜けた存在がいないと書いたが、現状タンデが好調だ。

２位には１本目の14位から大きく順位を上げたアッシェンヴァルトが、嬉しい初表彰台。
３位はラニセク。
こちらは開幕戦から２戦連続の表彰台。

ヴィスワで風に恵まれず全くジャンプをさせてもらえなかったアイゼンビヒラー（ドイツ）だが、ここでも予選で転倒するなど、踏んだり蹴ったりのW杯の出だしとなってしまった。
なんとか本戦には出場したが、23位と、昨年の好調さがまだ見えてこない。

10位以内で実力者を探していくと、総合優勝経験者だと４位にクラフト（オーストリア）６位に陵侑がいる。
しかし、他の優勝経験者はタンデと先の二人を除くと７位のガイガー（ドイツ、通算２勝）８位のザイツ（スロベニア、同１勝）と昨年初優勝を挙げた二人だけ。
半分の５人がW杯未勝利者と、なかなか新鮮な顔ぶれだ。

新型ブーツが騒がれていたポーランドは昨年までのような勢いが今のところ見られない。
長らくポーランドのヘッドコーチを務めていたオーストリア人コーチがチームを去ったため、今季あるいは来季以降のポーランドがどうなるかも注目だ。

さあ、日曜日はどうなるか？と期待していたら、強風のため中止。
残念。
いつもなら、今後の開催地のどこかで代替開催をするところだが、まだ公式発表がないようだ。

とりあえず今週末はニジニ・タギル（ロシア）で個人戦２連戦。
タンデの連勝は続くのか。
新たな優勝者が現れるのか。
日本勢は再び上位争いができるのか。
楽しみに待つことにしよう。