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小林陵侑 日本勢最多W杯通算18勝目! 2021年2月20日 [スキージャンプ]

忙しかったり、体調がすぐれなかったりで、ジャンプ記事を書けてないが、今回は書いておこう。

小林陵侑(土屋ホーム)が、現地(ルーマニア)2月20日に行われたW杯今季個人第22戦で、今季2勝目を飾った。
これで通算18勝目。
2月13日に行われた第20戦で勝利して葛西紀明(土屋ホーム)と並んでいたが、僅か1週間で、単独トップとなった。

ちなみにこのことは、FIS(国際スキー連盟)の公式ページでも記事にされている。
そこでは、
「So far he shared this record with Ski Jumping legend Noriaki Kasai, who won 17 times so far.」
となっている(下線は自分が加筆)。
このように葛西紀明を紹介するときは「レジェンド」を付けるのがFISの記事では普通。
本当にレジェンド呼びされているのが凄いと思う。

陵侑の話に戻るが、今季は夏からあまり練習環境がなかなか整わず、また、腰に違和感もあったらしく、W杯が始まってもしばらくはなかなか上位に顔を出すことができなかった。

しかし、W杯も中盤になってくると、目立たないながらもトップ10に入る試合が続き、調子は上向きとなってきている様子だった。
この勝利で今季のW杯総合順位も8位まで上がった。

ところでこの18勝目だが、実は競技終了直後に一度1位になった選手の失格により、2位につけていた陵侑が繰り上がって決まったものだった。
もちろん、それでも勝ちは勝ち、胸を張っていい。

ところで、この失格になった選手、ノルウェーのグラネルーだが、今季すでに11勝をあげており、個人総合優勝はもう間違いない。
前季までは勝利どころか表彰台すら一度もなかった若い選手が、いきなり勝ちだしてそのまま総合優勝する、というのは、2季前の陵侑とそっくりだ。
デリケートな競技であるスキージャンプあるあると言える。

で、実は今回驚いたのがこのグラネルーの11勝目が、ノルウェー選手の個人通算最多勝記録タイ、ということ。

なんと!ノルディック競技の母国であり、長年に渡って強豪選手を輩出し続ける伝統国なのに!
二桁の10勝をあげたのさえ、今回のグラネルー、同じ記録保持者のヨケルソイ、10勝のヤコブセンと3人しかいないらしい。
日本でも、といえばちょっと失礼かもしれないが、陵侑、葛西、それと船木和喜(FIT)の3人おり、同じだ(しかも3人とも現役)。
これには本当にびっくり。

ちなみにヨケルソイは2003/04シーズンに7勝、2004/05シーズンに2勝をあげ、2季連続でW杯総合2位となっている。
2季ともアホネン(フィンランド)が総合優勝を飾っているが、03/04シーズンはアホネンまで僅か10点差と迫った。
五輪でも2006年トリノのノーマルヒルで銅メダル、ノルディック世界選手権でも個人で2個のメダルを獲得している。

一方ヤコブセンは、2006/07シーズンにジャンプ週間総合優勝を成し遂げている。
W杯でもこの年4勝し総合で2位というのがW杯で一番よかった成績。
このときの総合優勝はマリシュ(ポーランド)、3位はアマン(スイス)4位はシュリーレンツァウアー(オーストリア)という錚々たる面々だ。
他に世界選手権で個人2個のメダルを獲得している。

2人とも日本ではほぼ無名だろう。
自分もそんなに勝っていたっけ?という感じだった。

今季のW杯も残りあと個人戦は残り6戦・・・というはずだったが、ノルウェー国内での開催が、新型コロナの影響ですべて中止。
残るは最後のプラニツァ(スロベニア)でのフライングヒル2戦のみの予定。

その前に、ノルディック世界選手権がオーベルシュトドルフ(ドイツ)で開かれる。
2年前の前回大会では個人のメダル獲得はならなかった陵侑。
今季はここに来て調子があがってきたようで楽しみだ。
グラネルーは非常に強敵だが、いい勝負を期待したい。


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middrinn

船木和喜は何て呼ばれているのかなぁ(@_@;) 呼ばれてないのかも
しれないけど、素人目には長野五輪年は神がかっていたような^_^;
by middrinn (2021-02-22 09:56) 

enokorogusa

残念ながら船木の呼ばれ方は自分もわかりませんが、ホルメンコーレン・メダルという、19世紀まで遡るノルウェーの権威ある表彰を1999年に受けているようですね。
これは日本人では2人目でジャンプ選手としては日本人初。
ちなみに1人目はノルディック複合の荻原健司(1995年)。
他に日本人では葛西(2016年)と髙梨沙羅(2017年)だけのようです。
1997/98シーズンの船木は本当に強かったですね。
ジャンプ週間も3戦目まで全勝して総合優勝もしましたし。
それでも、W杯総合ではわずか9点差の2位と、惜しくも日本人初の偉業は逃してしまいました。
実は最終戦で逆転優勝の可能性は十分にあったのですが、4位で届かず。
しかも優勝が葛西、2位が斉藤浩哉(雪印)で、この2人が「あまり飛ばなければ」船木の快挙が達成されていたという、こぼれ話も。
by enokorogusa (2021-02-22 20:26) 

燃焼豚

小林選手の快挙は新聞でもテレビの一般ニュースでも取り上げられていました。小林選手、おめでとうございます。
by 燃焼豚 (2021-03-04 06:54) 

enokorogusa

今ノルディックスキーの世界選手権が開かれています。
ノーマルヒルでは1本目3位につけた陵侑選手ですが、2本目伸びずに12位でした。
ラージヒルではこの悔しさを晴らしてほしいですね。
今大会使われているオーベルシュトドルフのラージヒルはジャンプ週間の初戦が行われるところです。
陵侑選手はこのジャンプ台で2年連続勝っていますので、期待大です。
by enokorogusa (2021-03-04 18:54) 

燃焼豚

葛西選手は札幌記念大会で3位。やりましたな。
by 燃焼豚 (2021-03-06 09:58) 

enokorogusa

今季初めの頃は、国内大会でもなかなか上位に名前が挙がらず、苦しんでいたようですが、ようやく調子を上げてきたようですね。
来季は再びW杯でその姿を見たいですね。
そのころにはコロナも収まって、観客も普通に入れるようになって、各国のファンにその姿を見せてくれると期待します。
by enokorogusa (2021-03-06 21:08) 

燃焼豚

小林選手は総合4位。おめでとうございます。
by 燃焼豚 (2021-04-05 06:51) 

enokorogusa

燃焼豚さん、返信遅くなりすいません。
仕事がもう~忙しくて忙しくて・・・
家のパソコンを開いたのも1週間振りで。
後半調子を上げてきた陵侑選手、最後のフライング3戦は1位、2位、2位と素晴らしい成績でした。
FISの公式サイトでも「彼が自分の能力を出せば勝てることを証明した」と紹介されてましたし。
W杯3季連続3勝以上、というのは日本勢初の快挙かもしれないです。
押しも押されもせぬ世界のトップジャンパーと言っていいでしょうね。
来季を楽しみに待ちたいと思います。
by enokorogusa (2021-04-10 19:31) 

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