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アニメ「まんが日本史」に山岡荘八の・・・? [その他アニメ・特撮]

自分が小学生の頃発刊されて、ベストセラーとなった小学館版学習まんが『少年少女 日本の歴史』
この度の学校休校を受けて、今WEBにて全巻無料公開中だ。

とはいえ、実は全巻(当時の時点の全20巻)持っている。
これは大人になってから、1冊100円のお得価格で古本で揃えたものだ。
子供の頃も何冊か持っており、家にないものは学校の図書館で全部読んでいた。

今も刊行がされており、人物事典と史跡・資料館事典も含め全24巻となっている。
このうち人物事典と史跡・資料館事典は子供の頃家にあったが、今は所持していない。

で、このシリーズを参考にした『まんが日本史』というアニメが1983年4月から1年間放映されていた。
あくまで「参考」であって、「原作」ではない。

最近、子供の頃以来にそのアニメを視る機会があり、信長を扱った話の時に、
「アレ?」と思うことがあった。

この信長の話は、本で言うと第10巻の第4章「風雲児 織田信長」という章がメインだ。
子供の頃から何度も何度も読んだので、本の内容は頭の中にほぼ全部入っている(^^;)

ところがアニメを視ていると、その本に載ってないシーンがいくつか出てきたのだ。

・平手政秀が自害したときに河原で悲しむ
・斎藤道三との面会のときに、道三の部下が信長の連れてきた兵士の数を具体的に告げる
  槍何百、弓何百、歩兵何百など
・その際特に鉄砲の数と槍の長さに驚く
・同じくその時に、面会中に信長隊の弓の弦を切っておけと命令する
・道三が義龍に攻められたとき、道三に加勢するために信長が美濃へ出兵する。
・そのことを知った道三が、信長の手勢が減るのを憚って自ら討ち死にを選ぶ

ざっとあげただけでも上記のような、まんがにはない場面があった。
というか、ある別の本を思い起こさせた。

それが山岡荘八の小説『織田信長』だ。
上記のシーン全て、この本に描かれているのだ。
しかも台詞回しもほぼ同じ。

 ※3月23日加筆・修正

 以上のように書いたが、コメントでご指摘いただき、
 他の作品、あるいは源史料に元ネタがある可能性も
 大きく、山岡荘八の『織田信長』だけを参考にした
 とは言い切れないということを留意する必要がある


まあ、それはそれとして、このアニメで自分が好きなのはEDである。
子供の頃にこのアニメを視ていたときからとても印象に残っていた。
「風のメルヘン」という曲で、唄うはサーカス。
哀愁感漂う名曲だ。
大人の愛を見事なコーラスで表現している。
これ、どう聞いても子供向けの歌じゃないなぁ?

このアニメは結構戦いのシーンが多い。
日本史を取り上げるんだから、そりゃ仕方ない。
ただその戦いを無情なものとして捉え、歴史とはそういう無情なものの積み重ねだ、というような、ある種の哲学というか人生観のようなものを伝えようとしているように感じるときもある。
この曲からは、そういう制作陣の「本気」を感じるような気がする。

機会があったら聴いてみてください。


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middrinn

大昔の集英社版(和歌森太郎が考証・解説)が、あと一冊で揃います(^_^;)
山岡荘八『織田信長』は、濃姫が可愛く、滝川一益や蒲生鶴千代の描かれ方
も好きです(^^) 道三と信長の面会での尾張衆の槍何本&鉄砲何挺という数、
美濃衆の槍の方が短いのに気付いたこと等は司馬遼太郎『国盗り物語 後編』
や津本陽『下天は夢か 一』にも出てきますけど、太田牛一『信長公記』が
ネタ元のようですね(^_^;) 同書の当該件が手元の徳富蘇峰『近世日本国民史
織田信長(一)』(講談社学術文庫,1980)に引かれてました(^_^;) ただ、
宇田川武久『鉄砲伝来 兵器が語る近世の誕生』(中公新書,1990)は注意を
喚起してますが、『信長公記』には「弓鉄砲五百挺」、つまり、弓と鉄砲を
合わせた数が500なのに、山岡荘八は小説らしく弓300張&鉄砲300挺(^_^;)
政秀自害後に信長が河原で悲しむシーンは『国盗り物語 後編』にもあるので、
これも共通の種本にある可能性が(^_^;) 会見での信長の「であるか」発言を
『国盗り物語 後編』は「このデアルカがよほど印象的だったらしく、諸旧記
がつたえている」とあり、作家が参考にした旧記や野史は多そうです(^_^;)
歌詞が明らかに大人向けですねぇ(^_^;) 視聴年齢を高めに想定かな(@_@;)
by middrinn (2020-03-23 18:16) 

enokorogusa

なるほど!詳細に教えていただき恐縮です。
確かに山岡荘八も執筆にあたり源史料を参考にしていておかしくないわけ(というか当たり前)で、全てが山岡荘八の創作と思ってしまったのは短絡的過ぎました(^^;)
それはそれとして、濃姫、一益、鶴千代の件は激しく同意です(^^)
これを読んで一益を好きになりました(^^;)
山岡荘八の筆は登場人物を生き生きと描写していて、軽妙というのとはちょっと違うかもしれませんが、歴史小説が初めてという人でも読みやすいのかな、と思ったりしてます。
ED、いきなり「子供みたいなあなたを~」ですからねぇ(^^;)
2コーラス目バージョンもあって、それだとさらに大人向けに(^^;)
by enokorogusa (2020-03-23 19:18) 

燃焼豚

まんが日本史があったのは覚えていますが、そこまで詳しくは知りません。山岡荘八で覚えているのは、少年徳川家康のアニメの原作くらいですかね。
by 燃焼豚 (2020-04-02 07:30) 

おぉ!次郎

情報ありがとうございます。
小学館版学習まんが『少年少女 日本の歴史』サイト
拝見しました。読み易いですね。

by おぉ!次郎 (2020-04-05 09:10) 

enokorogusa

燃焼豚さん、コメントのお返しが遅くなりすいません。
山岡荘八の『徳川家康』は文庫で26巻もある大作ですが、一度読み始めたら止まらない面白さがありました。
家康の方が信長よりかなりの長寿とはいえ、『織田信長』(全5巻)ももう少し長かったらいいのに、と思いました。
by enokorogusa (2020-04-29 16:07) 

enokorogusa

おぉ!次郎さん、コメントのお返しが遅くなりすいません。
今となっては古くなった説をもとに描かれている部分もあり、全部が全部をお勧めするわけではありませんが、歴史に親しむ、ということについてはいい教材だと思います。
無料公開した小学館の判断は素晴らしいです。
by enokorogusa (2020-04-29 16:13) 

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