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スキージャンプW杯2019/20 個人第22戦 タウプリッツ-バートミッテルンドルフ大会 2月15日 [スキージャンプ]

2月15日
オーストリア タウプリッツ-バートミッテルンドルフ大会(HS235)
W杯個人22戦 


優勝 418.5点 ズィワ(ポーランド)
2位 418.2点 ザイツ(スロベニア)
3位 414.6点 クラフト(オーストリア)
4位 414.5点 ガイガー(ドイツ)
5位 410.4点 クバツキ(ポーランド)
6位 405.1点 アールト(フィンランド)
7位 400.9点 ストッフ(ポーランド)
8位 398.0点 ヨハンソン(ノルウェー)
9位 397.7点 小林陵侑(土屋ホーム)
10位 395.7点 リンヴィーク(ノルウェー) 

21位 368.1点 小林潤志郎(雪印メグミルク)
27位 353.2点 佐藤幸椰(雪印メグミルク)
36位 158.0点 佐藤慧一(雪印メグミルク)
37位 152.8点 竹内択(チームtaku)
43位 138.3点 中村直毅(東海大学札幌スキークラブ)


1本目5位で優勝争いに絡むかと思われた陵侑。
しかし2本目は風の影響もあったか距離が伸びずに9位。
潤志郎はまずます。20位以内を目指したい。
幸椰は1本目12位から大きく順位を下げてしまった。
慧一、竹内、中村は今回も2本目への進出はならなかった。
日曜日に期待。


今週末はオーストリアの中部タウプリッツ-バートミッテルンドルフ。
今季初のフライングヒルでの大会だ。

金曜は風が強く時折雨も降る悪天候。
映像を見たがとても競技ができる状態ではない。
この日予定されていた2本の練習ラウンドと予選はすべて中止。
土曜の本戦前に練習ラウンドを1本だけ行い、予選はなし、エントリーした53名全員が本戦出場、ということになった。
その練習ラウンドでは幸椰が1位、陵侑が2位と日本勢がワン・ツー、本戦に期待がかかる。


1本目。
金曜に比べれば、追い風基調ながらかなり風も落ち着いているが、たまに強い風が吹いたりする。
スロベニアのベテラン、6番スタートのテペシュがこの試合初の200mジャンプ。
今季W杯への参戦はまだ2戦目だが、得意のフライングヒルでいいパフォーマンス。
21番スタートのセメニッツ(スロベニア)がウィンドファクタープラス17.1点と強い追い風にあい、距離が伸びず。
今後も追い風が続くと判断したか、ゲートが2段上がる。
これでこの後の選手はゲートファクターとしてマイナス11.1点となる。
結果的にはその後も追い風は大きな変化はなかった。

22番スタートのヴォルネ(ポーランド)がようやくテペシュをかわすが、すぐ後のアールト(フィンランド)がさらに上回りトップに。
アールト、というかフィンランドの選手がしばらくリーダーボードの前に立つのは久しぶりではないだろうか。
そのアールトを、35番スタートのザイツがかわしトップ。
さらに40番スタートのズィワが首位に。

残り10人。
まず幸椰、練習で1位だったが、強い追い風に遭い距離を伸ばせない。
2本目に進出した選手の中で最も強い追い風だった。これは不運。
続くタンデ(ノルウェー)も伸びない。
さらにペテル・プレフツ(スロベニア)は200mにも届かず、2本目に進めない。
先週優勝のライエ、その次のストッフ、リンヴィークももうひとつ。
このあたりの選手は風が悪かったか。

いよいよ陵侑のジャンプ。
224mとまずまずのジャンプでこの時点でズィワ、ザイツに次ぐ3位につける。
クバツキは226mで陵侑にわずか0.3点差届かずこの時点で4位。
ズィワを上回ったのがガイガー、1本目最長の230m。
最後のクラフトは224.5mながら、ウィンドファクターと飛型点が高得点で2位。

1本目が終ってのトップ10は、ガイガー、クラフト、ズィワ、ザイツ、陵侑、クバツキ、シュミット(ドイツ)、アールト、ハイベック(オーストリア)、ストッフとなっている。
ただ、フライングヒルにしてはかなり僅差だ。
6位のクバツキまでがトップと10点未満の差で、2本目次第で優勝、表彰台はどうなるかわからない。


2本目。
風は1本目と比べてそれほど変化なし。
1本目下位の選手の中では、22位のタンデ(ノルウェー)が227mと大きなジャンプでトップに。
すると、ペダシェン、リンヴィーク、ヨハンソンとノルウェー勢が次々とトップに立ち、一時上位4位までを独占する。

いよいよ1本目トップ10の選手のジャンプ、ゲートが1段下がる。
まずはストッフが向かい風の好条件で231.5mの素晴らしいジャンプ、本人もガッツポーズ、もちろんトップ。
ハイベックは順位をさげてこの時点で4位、
そして注目のアールト、なんと225mでストッフをかわしトップ。
シュミットは大きく順位を落とす。

あとは表彰台を争う残り6人。
クバツキが217mながらウインドファクターの加点も大きくトップに。
続く陵侑だが、踏み切り直後に大きくバランスを崩す。
おそらく予期しない風が吹いた(もしくは止んだ)のだろう、残念ながら207mと距離を伸ばすことはできない。
ザイツは2本目も素晴らしいジャンプで、2本目の中では1位の得点で首位に立つ。
しかし、次のズィワが0.3点差でザイツを上回る。
クラフトはザイツの下、この時点で3位に。
最終ジャンパーのガイガー、これまた僅か0.1点差でクラフトに届かず4位。

優勝はズィワ、なんと2013年3月以来7季振りの自身W杯2勝目だ。
ちなみに前回の優勝はシュリーレンツァウアー(オーストリア)と同点優勝だったので、単独優勝はこれが初めてだ。
昨季は7度も表彰台に上りながら優勝できなかっただけに、今回の優勝は嬉しいだろう。

このズィワ、33歳のベテランで、一昔前ならとっくに引退しているような年齢だ。
葛西紀明(土屋ホーム)が16季前に当時のW杯最年長優勝記録を更新したときの年齢が31歳だった。
今から思えば31歳が最年長?という驚きを感じるが、早ければ10代から頭角を現し、20代前半~中頃にピークを迎え、30歳になる頃には引退、というのがそれまでの常識的な選手寿命だった。
41歳でW杯で優勝し、五輪でも銀メダルを取った葛西の活躍が、いかに驚きと敬意を持ってジャンプ界で受けとめられたか、想像に難くない。
その葛西の実績が常識を覆し、今や30代で活躍する選手も珍しくなくなった。
この試合でも30歳以上の選手が6名出場している。
そのうち最年長はあのシモン・アマン(スイス)で38歳だ。

あと、この試合で特筆すべきはアールトの活躍だ。
長期にわたって低迷している、伝統国フィンランド。
今回アールトが6位に入ったが、これは昨季12月以来自身2度目。
フィンランド勢として見ても、その前は2014年2月のコイブランタの5位まで遡る。
優勝・表彰台となると、2014年1月のコイブランタの優勝が最後だ。
果たして、今後アールトが上位に再び顔を出せるようになるのか注目だ。


さて、フライングヒルでの試合はW杯の中でも特別扱いで、フライングヒルだけの成績での総合優勝が争われる。
ちなみに昨季はもちろん陵侑が優勝している。

スキーフライング総合得点ランキング

優勝 100点 ズィワ
2位 80点 ザイツ 
3位 60点 クラフト

この試合が今季の初戦なのでもちろん、ズィワがトップ。
今季はここタウプリッツ-バートミッテルンドルフでの2戦とヴィケルスン(ノルウェー)での1戦、計3戦だけ。
これは、例年W杯の最終戦として行われるプラニツァ(スロベニア)での試合が、今季はW杯ではなく、スキーフライング世界選手権として開かれるためだ。


W杯総合得点ランキング

1位 1173点 クラフト
2位 1095点 ガイガー
3位 985点 クバツキ
4位 965点 小林陵侑
5位 713点 リンヴィーク
6位 709点 ストッフ
7位 626点 ライエ
8位 539点 ペテル・プレフツ
9位 534点 タンデ
10位 496点 ズィワ

今季も残すところ9戦(中止になった先週のヴィリンゲンの第21戦の代替試合が加われば10戦)。
クラフトにとって自身2度目の総合優勝の可能性が少しずつ増えていく。
クバツキ、陵侑はかなり厳しくなってきた。
今季10人目のW杯勝者となったズィワが10位に顔を出した。

1シーズンに10人もの勝者が生まれるのはとても珍しいのではないだろうか。
しかも、現在のところ最多勝はクバツキと陵侑だが、たったの3勝。
史上希に見る混戦だと思う。
昨季は陵侑の一人勝ちだったので、対照的な展開だ。

今日、日曜も無事に開催できるといい。




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middrinn

「30歳になる頃には引退」ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
メチャ選手寿命が短いですねぇ( ̄◇ ̄;)
どーゆー人生設計をされるのかな(@_@;)
by middrinn (2020-02-16 16:20) 

enokorogusa

引退後に指導者になる人もいますが、少数派でしょう。
それ以外の人は・・・正直自分もよくわかりません(^^;)
ヨーロッパだと、そもそも警察官だったりする人もいるようですが。
by enokorogusa (2020-02-17 16:57) 

たじまーる

何時もご訪問&コメントありがとうございます<(_ _*)>
ジャンプ競技ですが葛西紀明に限らず30歳過ぎても
活躍される選手が増えてますよね(^ー^)
by たじまーる (2020-02-17 21:45) 

enokorogusa

たじまーるさん、ご訪問&コメントありがとうございます(^^)
どの競技でも、トレーニング方法の進化などで競技年齢は延びていると思いますが、スキージャンプは特に顕著ですね。
あと、単純に体力だけでなく、経済的、社会的に続けられる環境も必要でしょうね。
選手達が長く現役を続けられるのは、ファンにとっては嬉しいことです(^^)
by enokorogusa (2020-02-19 18:49) 

燃焼豚

新聞記事では小林選手が9位なのに、かなり詳しく概要をのせていました。テレビは結果のみ。
by 燃焼豚 (2020-02-22 19:39) 

enokorogusa

今季初のフライングだからか、それとも厳しくなった総合優勝争いに絡めてか、他の理由か・・・わかりませんが、扱ってくれるのは悪いことではありませんね(^^;)
by enokorogusa (2020-02-22 21:22) 

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