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スキージャンプW杯2019/20 個人第6戦 クリンゲンタール大会 12月15日 陵侑今季初優勝 [スキージャンプ]

12月15日
ドイツ クリンゲンタール大会(HS140)
W杯個人第6戦

優勝 277.0点 小林陵侑(土屋ホーム)
2位 274.0点 クラフト(オーストリア)
3位 269.5点 リンヴィーク(ノルウェー) 

6位 265.2点 佐藤幸椰(雪印メグミルク)
16位 244.6点 中村直幹(東海大学札幌スキークラブ)
21位 236.2点 伊東大貴(雪印メグミルク)
33位 108.9点 葛西紀明(土屋ホーム)
36位 105.6点 小林潤志郎(雪印メグミルク)

小林陵侑がついに今季初優勝、W杯通算14勝目。
1本目トップに立つと、2本目微妙なジャンプだったがクラフトを振り切った。
佐藤幸椰が2本目に大きく順位をあげて6位。
ここ数戦あまりいいところのなかった中村が16位と健闘。
今季2度目の本戦出場となった葛西は33位、惜しくも2本目進出&W杯ポイント獲得はならなかった。

前日と違い、追い風基調ながら風は弱く安定しており、悪くないコンディション。
序盤、7番スタートのアールト(フィンランド)がトップに立つ。
このアールトからトップを奪ったのが19番スタートの中村だ。
その後トップはズィワ(ポーランド)、リンヴィーク、シュリーレンツァウアー(オーストリア)と移っていく。

その後しばらくシュリーがトップを守るが、残り5人になって順位が動く。
46番スタートのアッシェンヴァルト(オーストリア)が135mで1位に。
しかし、すぐさま次の陵侑が136.5mを飛んで1位を奪う。
49番スタートのクラフトが134mで3位につける。

そして1本目最後のジャンパーは総合トップのタンデ(ノルウェー)。
金曜の練習で足首を痛めたが、大丈夫なのか?
しかし結果は125mで26位と、大きく出遅れてしまった。
やはりケガの影響があるのだろうか。

1本目が終わって、陵侑、アッシェンヴァルト、クラフト、シュリー、ガイガー(ドイツ)と続く。
5位のガイガーでも陵侑との差は9.1点、逆転可能な差だ。

2本目。
今季歯車がかみ合わない感じでこの日も1本目28位だったアイゼンビヒラー(ドイツ)が132mを飛び、久しぶりのリーダーボードに。
それを1本目15位のクバツキ(ポーランド)が上回るがその直後、佐藤がこの日最長不倒の140mを記録して1位に。
優勝した第4戦のように佐藤を上回る選手がなかなか出てこない。

ようやく、1本目6位のリンヴィークが134.5mでトップに立つ。
そして残りは3人。
まずがクラフトが134.5mで1位に。
次のアッシェンヴァルトは132.5mとやや距離をのばせずこの時点で3位。

そして最後のジャンパー、陵侑。
前戦でも1本目トップに立ったが、2本目まさかの「無風」コンディションで惜しくも3位。
だが、今回は134mとまずまずのジャンプで1本目のリードを守り切って無事勝利。

2位は前戦優勝のクラフト。
ここ数年、ストッフ(ポーランド)と並んで非常に安定していて強い。
今季も総合優勝争いに絡んできそうだ。
3位のリンヴィークは自身初のW杯表彰台。

ところで、陵侑は2本とも飛型点がこの日最高タイの57.0点(19.0点が3人)。
ジャッジに「この選手は飛型が良い」と思わせることは非常に大事。
ライバルのクラフトも常に飛型点が高く、ヒルサイズ近辺まで飛んでもちゃんとテレマークを入れてくる。
仮に飛型点がジャッジ1人1点、計3点下がると、今回ちょうど2位のクラフトと同点となる。
また、ラージヒルの飛距離換算では2mほど損をする。
これは小さくない差だ。

練習ジャンプでケガをしたタンデは2本目に順位をややあげて18位。
ケガの影響は微妙なところだ。

ケガと言えば、この日は大きなケガをした選手が出てしまった。
新進気鋭のマルケン(ノルウェー)が着地直後に転倒。
脚に変な方向に力が加わったように見えた。
倒れたまま動かない。
ストレッチャーに載せられ運ばれていくが、カメラが大きく映さないということは、あまりよくないことを表している。
今のところ詳細は不明だが、心配だ。


W杯総合得点ランキング

1位 290点 小林陵侑
2位 276点 クラフト
3位 273点 タンデ
4位 237点 ガイガー
5位 214点 アッシェンヴァルト
6位 181点 ラニセク(スロベニア)
7位 178点 佐藤幸椰
8位 146点 ストッフ
9位 135点 クバツキ
10位 115点 ペテル・プレフツ(スロベニア)

開幕2連勝のタンデがこの試合振るわなかったことで、ギュッと全体の点差が縮まった。
陵侑がついにトップに。
次戦は総合トップの証、イエロービブを纏っての試合となる。
しかし僅差でクラフト以降が続く。
第3戦でW杯初勝利を挙げた佐藤幸椰も7位をキープ、これも素晴らしい。

次週エンゲルベルク(スイス)は日本チームは当初は参戦を見送り一時帰国する予定だったそうだが、陵侑だけは残るらしい。
今季はW杯総合優勝争いがクロスした戦いになりそうなので、少しでも稼いでおいた方がいいだろう。

また、日本チームはW杯遠征メンバーの入れ替えがあるかもしれない。
W杯の一つ下の格の大会であるコンチネンタルカップで竹内択(チームtaku)と佐藤慧一(雪印メグミルク)が非常に好調なので、おそらくW杯参戦チームに加わるのではないだろうか。

ちなみに中止になった12月1日のルカでの第3戦の代替試合が2月28日にラハティ(フィンランド)で第26戦として行われることが決まった。
これで今季の試合数は当初の予定通り30戦となった。

というわけで今週末はスイスのエンゲルベルクで個人戦2連戦。


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コメント 4

middrinn

今日の朝刊の小林陵侑選手今季初優勝記事には(小生の記憶がたしかなら)
最近ちょっとした技術的修正を行なった云々という共同通信が配信の記事も
載ってましたが、他国の選手の情報とかは全く出てないんですよね(^_^;)
by middrinn (2019-12-17 20:14) 

enokorogusa

おそらく同じ記事を自分も読みました。
うっかり忘れててこの記事を書いた後でしたけど(^^;)
確かに日本選手のことしか書いてありませんね。
総合トップのタンデ選手のケガなどは、この週末の重要なニュースだと思われます。

by enokorogusa (2019-12-17 21:09) 

燃焼豚

一般ニュースでも取り上げていました。「やっと勝てた」の一言が印象的。
by 燃焼豚 (2019-12-21 19:58) 

enokorogusa

ジャンプはデリケートなスポーツですから、昨季の序列がそのままということが無くて当たり前で、それでも開幕戦からトップ10を守っていたのですから、実力があることの証明です。
ただ本人にとってはなかなか勝てずにフラストレーションがたまっていたのでしょうね。
この勝利でいい流れをつかんでほしいです。

by enokorogusa (2019-12-22 18:31) 

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