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興福寺・東大寺 訪問記 その6 [雑記]

長かった奈良旅行記もいよいよ最終盤。
でもまだ見どころはあるのだ。

二月堂を降りてそのまま西へ向かうと、地味だが重要な像を安置しているお堂が二つある。
一つは開山堂と呼ばれ、文字通り東大寺の開山に大きく寄与し初代別当を務めた良弁僧正の坐像が安置されている。
お堂も国宝だが、良弁僧正坐像も国宝だ。
残念ながら開扉されるのは法華堂の執金剛神像と同じ12月16日のみ。
もちろん「ここで」見たことはない。

もう一つのお堂は俊乗堂と呼ばれている。
こちらも文字通り、平重衡の兵火に遭った東大寺の再興の中心的な存在として、大きな力を発揮した俊乗房重源の坐像(俊乗房重源上人坐像、国宝)が安置されている。
こちらも普段は見ることができず、7月5日とやはり12月16日の2日しかみることができない。
やはり「ここで」見たことはない。

どちらの坐像も、おそらく写真で見たことがある方は多いのではないだろうか。
特に重源の方は有名だと思う。

この普段は見ることができない両像だが、何かの特別展で、自分は両方とも見る機会があった。
どちらも見ごたえのある、すばらしい像だが、重源像は特に凄かった。
左右の目が非対称になっていることや服装のひだの表現など、写実的表現を極めた凄い肖像彫刻だ。
まさに今そこに上人がいるかのよう。
東大寺再興にかける上人の魂が宿っているかのような、見る人を圧倒するその存在感。
鎌倉初期に活躍した慶派仏師の手になるといわれている。

残念ながらこの日は当然開扉日ではないので、これらのお堂はスルー。
次の目的地は大仏殿よりかなり北にある正倉院・・・といきたいところだが、残念ながらこちらもこの日は見ることができない。
ちなみに正倉院は東大寺ではなく、宮内庁が管理している。
見られないと知っていながらも、塀沿いに歩いていくと、遠くに校倉造の建物が見える。
小学生時の修学旅行では近くまで行けた気がするのだが、記憶違いか。

ちなみに定期的に行われている「正倉院展」、これまで2度だったか、訪れたことがある。
そのうち1度は、あの有名な「螺鈿紫檀五絃琵琶」を見ることができた。
さすがに大勢の人が訪れていた。
今年の秋に東京国立博物館で行われる特別展「正倉院の世界」でも「螺鈿紫檀五絃琵琶」が見られるようだ。

・・・あれれ?
今回で最後のつもりで書き始めたのに、見てもいないお堂の話で結構長くなってしまったぞ。
仕方なし。
次回こそ最後にするつもりで「続く」・・・

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middrinn

小生がチェックしてるSo-netブログで2つ、奈良訪問記をアップしてますけど、
enokorogusa様のお姿もアップされている写真の中に写ってたりして(^_^;)
重源上人坐像の「左右の目が非対称になっていること」は知らなかったので、
「大仏開眼1250年記念 東大寺という宇宙」が特集の芸術新潮2002年6月号を
披いたら、「千年の仏たちに逢いにゆく」と題した舟越桂のレポートの中の同
坐像の写真のキャプションに「両目の開きが違うから、像を左右どちらから
眺めるかでがらりと印象が変わる。右目は外の世界を見極め、左目は自分の
内側を見つめているかのよう」とありまして両側から観てみたいです( ̄◇ ̄;)
by middrinn (2019-05-21 19:46) 

enokorogusa

自分のは自己満足ブログなので、お恥ずかしい限り(^^;)
なるほどプロの言葉は深いですね。
自分はそこまで意識できるはずもなく(^^;)
もう一度見てみたいですね。
by enokorogusa (2019-05-22 19:57) 

燃焼豚

昔は国宝が展示される美術展とかにたまに行った覚えがある。今年いったのはゴジラ展だけ悲しい・・・。せめて、河森マクロスか、永井豪には行きたかった。
by 燃焼豚 (2019-08-03 16:52) 

燃焼豚

ムンクと宝刀展も行きたかった。シクシク。
by 燃焼豚 (2019-08-03 17:55) 

enokorogusa

東京だけではないかもしれませんが、やはり都内はいろんな展示会があるのでしょうね。
自分は東京にはなかなか行けないところに住んでますので、そういうのはすごく羨ましいです(^^;)
ただ、人混みだけはなかなか慣れませんね(^^;)
by enokorogusa (2019-08-04 20:34) 

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