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ソウルコミック その2&もう一度読みたいマンガその3 『サーキットの狼』※ネタバレ注意 [コミック]

物心ついたときには手元にあったソウルコミック、第2弾は『サーキットの狼』(作・池沢さとし)。
週刊少年ジャンプ連載は1975~1979年。

社会にスーパーカーブームを生んだ歴史的作品。
連載期間中の1976・1977年には富士スピードウェイでF1レースが開催された。
1972年生まれの自分はおそらくブームを体験した最後の年代だと思われる。
自分は兄がいたのでこの作品を読んでいたが、同い年の友人とはこの作品やスーパーカーのことで話が盛り上がった記憶がない。
もっぱら兄弟で楽しんでいたと思う。

この頃国内各所でスーパーカーの展示会が開かれていた。
自分の家の近くでも展示会があって、親に連れて行ってもらった記憶がある。
全部で4台ほどの小さな展示会だったが、スーパーカーの代名詞ともいえるランボルギーニ・カウンタックが来ていた。
しかし、カウンタックだけは特別扱いで、別料金(確か500円?)を払わないと近くにいけなかったような気がする。
後年、自分で車を運転しているとき、偶然にカウンタックかディアブロかの後ろに付いて走ったことがある。
一瞬、キャビンのない車が走ってる?と思ったくらい、車高が低くて驚いた。

さて、作品の話に戻ろう。

ストーリーとしては、暴走族まがいの公道レースで名前を馳せていた「ロータスの狼」こと風吹裕矢が、プロレーサーである義兄の飛鳥ミノルの影響もあって、プロレーサー、すなわち「サーキットの狼」をめざし、ライバルたちと競り合いを繰り広げていく、というものだ。

この作品の魅力のひとつは、何と言っても次から次へと続々と出てくるスーパーカーだ。
主人公の風吹の最初の愛車は当時のベスト・ハンドリングマシンの一つ、ロータス・ヨーロッパ。
その後、そのヨーロッパをツインターボ化。
次にフェラーリ246ディノを大改造したフェラーリ・ディノ・レーシングスペシャル。
次いで究極のラリーカー、ランチア・ストラトス。
そしてそれを当時の規格でチューンアップした、ストラトスのシルエット・フォーミュラ。
基本、風吹のマシンは、常にライバルよりパワーで劣り、コーナリングテクニック(幻の多角形コーナリングなど)でなんとか勝負に持ち込む、というのがパターンで、それがこのマンガのもう一つの大きな魅力だった。

対して、永遠のライバル、早瀬左近はひたすらポルシェ。
カレラ911に始まり、930ターボ、911RSR、935ターボ。
風吹の義兄飛鳥ミノルはスーパーカーの嚆矢といってもいい、ランボルギーニ・ミウラ。

もちろん、日本代表ともいえる、トヨタ2000GTも。
こちらをドライブしたのは、風吹のライバルの一人で、あくどいドライビングでヒール的存在の隼人ピーターソン。
他にも多くのスーパーカーが出てくるが多すぎてとても書ききれないし、最後に読んでから数十年経っているのでかなり忘れている。

しかし、やはり主人公のロータス・ヨーロッパがいちばん好きだった。
非力なマシンながらテクニックで大パワーのマシンと互角以上に走るのがとてもカッコよく思え、将来はこの車に乗りたいと思った(もちろん無理だった(┬_┬))

また、ライバルたちにはあだ名がついているのも子供の読者にとってはわかりやすかった。
まずは何と言っても、「ハマの黒ヒョウ」、愛車は黒のカウンタックだ。
他には、幻の車、ランボルギーニ・イオタを駆る「潮来のOX(オックス)」、フェラーリ308GTBの「フェラーリの女豹」、ストラトスで登場した「北海の龍」、ピーターソンの劣化版ともいえる「四国の獅子」(デ・トマソ・パンテーラ)など。

当時はあまりピンと来なかったが、このマンガ、かなりクラッシュが多く、死人も何人も出ている。
特に瀬戸内海にある流石島という架空の島全体を使った1周30kmくらいもあるコースでのレースでは、複数の死者が出るなど、実際のレース以上に過激なものになっている。
まあ、実際当時は今とは比べ物にならないほどカーレースは危険で、レースの死者は今よりずっと多かったのは確かだ。
ストーリーを盛り上げるために大クラッシュとそれに伴う死者が出るのも止む無しというところか。

また、マンガ内では、コースを早く走るための方法やテクニックの解説があり、「アウト・イン・アウト」「スロー・イン・ファースト・アウト」「ヒール・アンド・トウ」など、そういう知識が得られるのも嬉しかった。
そして、単行本では、毎巻、巻末に実際のスーパーカーの解説をするコーナーがあった。
このコーナーで、マンガ内ではわからない各車の性能、諸元を知ることができるのもよかった。

さて、ロータス・ヨーロッパには乗れなかった自分だが、もう一つの憧れは実現した。
それは、スーパーカーブームを体験したなら一度は乗りたいと誰もが思う(ホントか?)リトラクタブル・ヘッドライトの車に乗ることだ。
リトラクタブル・ヘッドライトとは、普段はボンネット内に収納されていて、点灯するときにパカッと起き上がってくるタイプのヘッドライトのことだ。
点灯するときに「ぐいん」と起き上がるのがカッコよくて、点灯するたびに自己満足に浸れるのだ(笑)。
ただ、道を譲ったりするときのパッシングの際、わざわざ起き上がってチカチカするのがちょっと自慢気に見えたりしたらどうしよう、とか、意識過剰だったかもしれない(←バカ)。
ちなみにこのヘッドライト、点灯せずに起き上がらせておくこともできる。
寒冷地で降雪の際、閉まったままで凍り付くのを避けるために上げたままにしておいたりするときなどに使用する。

結局、技術の進歩で、ヘッドライトが小型化できるようになったのと、上げ下げの機構を採用すると車の価格が上がるため、普通の乗用車にリトラクタブル・ヘッドライトを使用する意味がなくなり、現在では見られなくなってしまった。

さて、もう一度読みたいが、どうしよう・・・
通販で買えない価格でもないのもあるようだけど・・・

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コメント 4

middrinn

『サーキットの狼』か・・・何もかも皆懐かしい(T_T)
一番最初の単行本も結構持ってましたけど、子供の頃に
ゲームを買うために売っちゃいました(;_;) スーパーカー
ブームを経験しスーパーカー消しゴムも集めました^_^;
PUFFYの「サーキットの娘」という曲名には爆笑(^_^;)
by middrinn (2018-07-11 20:29) 

enokorogusa

>middrinnさん

middrinさんも単行本お持ちでしたか!
スーパーカー消しゴムもありましたね。
ボールペンのバネを使ってレースをしたり。
「サーキットの娘」は最初ドッキリして思わず二度見、三度見して曲名を確認しました。(^^;)


by enokorogusa (2018-07-12 17:39) 

燃焼豚

私もサーキットの狼を読んでました。あれは4年しか連載していなかったですね。6年くらいやっているのかと思いましたよ。でも、私はマシン刑事999の影響が大きくポルシェ945ターボが好きでした。
by 燃焼豚 (2018-10-08 10:09) 

enokorogusa

自分も意外と短いなと思いました。
連載1回分の掲載ページ数が多かったんですかね?
マシン刑事999、すいません、知りませんでしたm(_ _)m

by enokorogusa (2018-10-08 16:17) 

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