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2017/18シーズン ノルディック複合W杯総合優勝 渡部暁斗がついに達成! [ウインタースポーツ]

ノルディック複合の渡部暁斗が2017/18シーズンのW杯総合優勝を達成した。
日本勢としては、あの荻原健司以来23季ぶりの快挙だ。
五輪での金メダルは逃した渡部だが、それに勝るとも劣らない勲章を手に入れた。

ノルディック複合は1990年代に日本が強化に成功し、荻原健司がW杯総合3連覇、五輪でも2大会連続団体金メダルなど、素晴らしい実績を残した競技だ。
しかし、その後はクロスカントリーの比重をあげるルール変更などもあり、日本は苦しんできた。
また、日本が苦しんだのはルール変更だけでなく、日本という「黒船」襲来によってプライドを傷つけられた欧州勢が強化に力を割くようになったことも大きな理由だと思う。

そんな状況の中でも地道に強化にとりくんできた日本。
しかし、近年はドイツ勢が強力で、なかでもエリック・フレンツェルがW杯総合5連覇、そしてその前はフランスのジャゾン・ラミー・シャプイが3連覇と、大きな壁として立ちふさがってきた。
そのような勢力下でも渡部は実力をあげてきて上位争いをするようになってきた。
しかし奮闘するものの、2011/12シーズン以降、W総合で2位、3位、3位、2位、2位、3位と、なかなか総合優勝に手が届かなかった。

そして迎えた今シーズン、渡部は開幕戦で3位、第2戦で優勝と、出足よくスタートした。
しかしその後はなかなか調子が上がらず、表彰台に登れない戦いが続いた。
ただ、幸いというか、フレンツェル始めドイツ勢が渡部以上に調子が悪く、総合争いでは上位につけることができていた。

大きく風向きが変わったのが、1月26日からのゼーフェルト(オーストリア)での3連戦だ。
ここで渡部は見事に3連勝を達成、圧巻の勝利だった。
これ以降は表彰台を逃したのがわずか2回(それも5位)しかなく、五輪をはさんでも好調を維持し、残り2戦を残した時点で早々と総合優勝を決めた。
その残り2戦も見事に連勝で有終の美を飾り、日本選手史上最多の年間8勝という新記録を樹立した。
このようにして総合優勝の証、クリスタル・グローブを自身初めて手にすることになったのだ。

自然条件に左右されることも多い屋外の雪上競技の場合、このW杯総合優勝というのは非常に栄誉あるものだ。
さまざま気象条件に対応し、シーズンを通して好成績をあげた者こそが真の王者ということもできる。
今シーズンのノルディック複合の場合、個人戦は全22戦あった。
期間も昨年11月から今年3月までと5ヶ月近く続く長い戦いでコンディションを維持するのは難しい。
このような過酷な戦いを制したのだから、本当に素晴らしいことだ。

渡部の最大の強みはジャンプであることは間違いない。
今シーズンも最優秀ジャンパーになったことからもそれがわかる。
しかし、決してクロスカントリーが弱いわけではない。
確かにクロスカントリーを得意とする選手と比べれば差はあるが、上位で争うだけの力は持っている。
クロスカントリーのタイムで10位以内に入ることもしばしばあるのだ。
逆に言うとそれくらい強くなければ、W杯で総合優勝などできない。

さて、気が早い話だが、来シーズンは連覇を狙う戦いとなる。
各国も若手が伸びてきている。
どのような戦いが繰り広げられるのか今から楽しみだ。
渡部暁斗はもちろん、彼以外の日本勢にも期待したい。

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燃焼豚

オリンピックでは本人の臨んだ結果ではなかったから、その雪辱はw杯で果せただろう。凄いことだよ。メディアももう少し取り上げてほしい所。
by 燃焼豚 (2018-04-10 06:58) 

enokorogusa

>燃焼豚さん

五輪はケガの影響もあって不本意だったでしょうが、シーズン前からの目標である総合優勝を勝ち取ったのは素晴らしいことだと思います。
五輪金メダル級の扱いで報じられていい快挙だと思います。
どうも日本ではW杯の扱いが小さいので残念です。
種目は違いますが、モーグルの上村愛子もW杯総合優勝&世界選手権金メダルを取っているのに、五輪のメダルが無いだけで過小評価されているようでこちらも残念です。
by enokorogusa (2018-04-13 18:01) 

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