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ピョンチャン五輪振り返り 女子スピードスケート [ウインタースポーツ]

今さらピョンチャン五輪振り返りシリーズ、最後は女子スピードスケート。

女子500m
金 小平奈緒
銀 李相花
銅 エルバノバ
8位 郷亜里砂
13位 神谷衣理那

女子1000m
金 テルモルス
銀 小平奈緒
銅 髙木美帆
13位 郷亜里砂

女子1500m
金 ブスト
銀 髙木美帆
銅 レーンストラ
6位 小平奈緒
16位 菊池彩花

女子3000m
金 アクテレークテ
銀 ブスト
銅 デヨング
5位 髙木美帆
8位 佐藤綾乃
19位 菊池彩花

女子5000m
金 フィッサー
銀 サブリコバ
銅 ボロニナ
9位 押切美沙紀
12位 髙木菜那

女子マススタート
金 髙木菜那
銀 金ボルム
銅 スハウテン
準決勝敗退 佐藤綾乃

女子団体パシュート
金 日本(髙木菜那、髙木美帆、佐藤綾乃、菊池彩花)
銀 オランダ
銅 アメリカ

今回日本勢は、全種目合計で冬の五輪では過去最多となるメダルを獲得したわけだが、その中心となったのが、この女子スピードスケートだ。
金3、銀2、銅1と、合計で6つのメダルを稼ぐ大活躍だった。

まずは小平奈緒。
世界記録を持つ1000mでは、強国オランダのテルモルスに敗れて銀(それでもすごい)だったが、W杯で2年間負けなしと、圧倒的大本命で臨んだ500mでは見事に金メダル。
低地リンク初の36秒台と、記録の面でも素晴らしかった。
これは女子スピードスケートで日本史上初の五輪金メダルだった。
また、冬季五輪で選手主将を務めた選手としても初めての金メダルだった。
いや、主将って必要なのか?と思ったりするが。

で、あまり触れられていないが、実は小平は1500mでも6位に入賞している。
500mの金メダリストとなるスプリンターが中距離の1500mに出場すること自体、近年では異例なのだが、さらに6位に入賞するというのは凄いことだ。
もともと彼女はバンクーバー五輪で団体パシュートで銀メダルを獲得するなど、中距離をこなせる選手であったのだが、短距離に力を注いで世界トップになった現在でも、中距離の力が落ちていないのは驚きだ。

次いで髙木美帆。
1000mで銅、1500mで銀、団体パシュートで金と、計3つのメダルを獲得した。
小平とは得意な距離こそ違えど、彼女もオールラウンダーな能力を持っているスケーターだ。
1000mはスプリンターと中距離ランナーとの境目ではあるが、どちらかというとスプリンターの守備範囲である。
その1000mで小平に次ぐ銅メダルなのだから、凄い。

得意の1500mでは金を逃したが、団体パシュートでは中心ランナーとして一番長く先頭を引っ張り、見事に、個人種目で届かなかった金メダルを獲得した。
さらに彼女は五輪後に行われたオールラウンド世界選手権で快挙を達成するのだが、これについてはまたあらためて。

団体パシュートは、近年の日本の得意種目となっている。
特に今季は、W杯で3大会連続世界新記録更新で優勝と、無敵を誇っている。
しかし、五輪は一発勝負、強国オランダがどれだけの力を出してくるかわからない。

この種目は、準々決勝からおこなわれ、タイム順で上位4チームが準決勝へと進む。
そして準決勝は、タイム順ではなく、対戦相手に先着した方が決勝へと進むことになっている。
実際には、日本とオランダの2強状態で、日本としては、準決勝でのオランダとの対決は避けたいところだ。

幸い、準々決勝ではオランダが先に滑り終わっていたので、日本としては、オランダに次ぐ2位であればよく、スタート直後にややミスがあったものの、無事2位で準決勝へとコマを進めた。
準決勝と決勝は同じ日に行われるので、準決勝ではできるだけ力を温存したい。
日本は菊池をメンバーにいれて佐藤を温存する作戦をとってアメリカと対戦したが、相手のアメリカも明らかに3位決定線狙いだったため、危なげなく勝利、決勝へ進んだ。

そしていよいよオランダとの決勝。
日本は中盤までリードされる展開。
だが、日本は慌てる風もなく、淡々とペースを刻んでいき、終盤には逆転、見事オランダをやぶり金メダル獲得となった。
日本の勝因はチーム力だと言われるが、決してそれだけではない。
チームの中心となる髙木美帆は世界トップクラスの選手であり、佐藤綾乃も3000mで8位に入賞している。
そして髙木菜那もマススタートで金メダルを獲得したように、いわゆる個の力も世界で戦えるレベルにある。
これらの個の力あってこそのチーム力だということを忘れてはいけないと思う。

髙木菜那のマススタート金メダルも素晴らしかった。
準決勝で佐藤が他者の転倒に巻き込まれる形で転倒してしまい、決勝に残れなかったのは残念だったが、それならそれで1人で戦う戦略があるとでも言わんばかりのレース展開だった。
髙木はスタートしてすぐにオランダのスハウテンのすぐ後ろにピッタリと着いて滑り続けた。

ひとつ幸運だったのが、アメリカが2人出場していて、うち1人が終盤先頭に立ち最後のスパートをしかけたことだ。
これで7人ほどの先頭グループが形成された。
スパートを仕掛けたアメリカは、もう一人がこの先頭集団の後ろにつけていて、この選手で勝負をかける作戦だったと思う。
ところが、その後ろの選手がなかなか上がって来れない。
そのうちに先頭の選手が力を使い果たして、はからずもスハウテンが先頭には立つことになり、髙木はスハウテンの直後、いわゆる「番手」につける絶好のかたちとなった。

そして最終周の最終コーナーの立ち上がり、スハウテンがアウトへ膨らむのを読んでいた髙木はそのインをつく。
髙木の後ろにはやはり同じ考えの金ボルムがいたが、髙木は絶妙のコース取りで金に並ばせない。
そのまま最後の直線を駆け抜け、見事にこの種目の初代女王となった。
髙木菜那は、これで今大会2個目の金メダルとなった。

日本女子も大活躍をしたが、やはり層の厚さではまだまだオランダにはかなわない。
それでもメダルの数を見ると
オランダ 9個
日本 6個
チェコ 2個
韓国 2個
アメリカ 1個
OAR(ロシア)1個
と、日本は健闘したと言えるだろう。
できれば、オリンピックのない年も、またW杯の結果なども、マスコミにはどんどん取り上げてほしい。
これは他の多くの競技にもいえることだが、4年に1回のスポーツではないのだから・・・
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